習近平氏を「くまのプーさん」とネタにしたコメディアンが「存在していない」ことにされてしまう

アメリカのケーブルテレビHBOで放送された番組内で、中華人民共和国の国家主席である習近平氏を「くまのプーさんに似ている」とネタにしたイギリス出身のコメディアン、ジョン・オリバー氏が中国国内で「存在していない」ことにされてしまったと報じられています。
Watch the John Oliver segment that got Oliver’s name banned in China | Ars Technica
オリバー氏がホストを務めるトーク番組「Last Week Tonight」は、1週間のニュースをオリバー氏が軽快なトークと共に紹介していく1時間番組。その番組中に、注目トピックについてオリバー氏が20分間トークするコーナーがあり、習近平氏についての軽妙なトークが行われました。
2018年6月に放送された習近平氏にまつわるオリバー氏のトークは、「Last Week Tonight」の公式チャンネルで見ることができます。
Xi Jinping: Last Week Tonight with John Oliver (HBO)
この回は「中国についてオリバー氏がトークを繰り広げるものでした。

トランプ氏が「中国が俺たちを殺す!」「中国は国をレイプしている!」といった過激な発言をしたことを取り上げ、トランプ氏が中国に対して抱いている脅威について解説。

中国について説明していく中で、国家主席として強大な権力を持っている習近平氏についても取り上げました。

「習近平氏は、父親が文化大革命によって迫害されたことにより農村で育った」ことが中国で大きく取り上げられ……

習近平氏がとった食事も大きなニュースになるほどの注目を集めています。

中国の経済成長はとどまることを知らず……

中国の辞書で「悲観」という言葉をひいてみれば、「そんなものはない」と書かれているだろうとジョークを飛ばし、オリバー氏は笑いを誘いつつ習近平氏および中国について解説していきます。

きわどいジョークを連発しつつトークを繰り広げるオリバー氏でしたが、ついに習近平氏を「くまのプーさん」になぞらえたVTRをトーク中に流します。

「たぶん習近平氏は、自分自身をくまのプーさんと比較されていることをめちゃくちゃ気にしているでしょう」と笑いをこらえた様子で話すオリバー氏。

続けてオリバー氏は「習近平氏がくまのプーさんに似てるなら、僕に似てるのはこれかな?」とライオン・キングのザズーと自らの画像を並べて、視聴者の笑いを誘いました。

この内容が放送されると、HBOのウェブサイトへは中国国内から接続できなくなり、微博(ウェイボー)をはじめとするSNS上では「John Oliver」や「Last Week Tonight」といった言葉を含む投稿を行おうとすると「コンテンツには関連する法律や規制に違反する情報が含まれている」と表示されて失敗するようになりました。
中国には「グレートファイアウォール(金盾)」と呼ばれるネット検閲システムが存在しており、「天安門事件」や「複数政党制」、「台湾問題」といった政府にとって都合の悪い情報をブロックしています。どうも「Last Week Tonight」は番組内容が不適切だったため、オリバー氏とともに金盾のブロック対象に入れられてしまったようです。なお、「くまのプーさん」は以前から中国国内でも「習近平氏と似ている」とネタにされていたためか、すでに検索不可能なワードに設定されています。
HBOやオリバー氏は中国当局の対応を批判していますが、中国本土でHBOのコンテンツを配信しているわけではないため、経済的な打撃を受けたわけではないと説明しています。
