ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 2月の競馬も最終週。春の訪れを少しずつ感じるようになってきましたが、まだまだ寒い日もありますね。

 今週から開催が替わり、関東は東京から中山へと舞台を移します。開幕週の重賞は、今年で92回目となる伝統の中山記念(2月25日/中山・芝1800m)です。

 少しずつ暖かくなってきて、春の大舞台を目指す有力馬が始動する時期を迎え、距離が1800mということもあり、中距離とマイルを得意とする実力馬が集結します。

 また、約1カ月後にドバイ・ワールドカップデーが開かれることもあって、同舞台への遠征を予定しているトップクラスの馬がここをステップレースとして使ってくるケースも多くみられます。

 近年でも、ヴィブロス、リアルスティール、ドゥラメンテ、ジャスタウェイなどがここをステップにしてドバイで好走。まさしく壮行レースといった趣(おもむき)がありますね。

 さらに、昨年から大阪杯(阪神・芝2000m)がGIに格上げされて、中山記念の勝ち馬に優先出走権が与えられるようになりました。このレースが重要なトライアルとしての位置づけにもなって、大舞台を目指す素質馬も集まるようになりました。

 ただ今年は、エアスピネルをはじめ、有力馬が次々に回避。少頭数の争いになってしまいました。

 その分、例年に比べると手薄なイメージに映るかもしれませんが、昨秋のGIマイルCS(11月19日/京都・芝1600m)の勝ち馬ペルシアンナイト(牡4歳)を筆頭に、牝馬ながら昨年のドバイターフを制したヴィブロス(牝5歳)、昨年のGINHKマイルC(5月7日/東京・芝1600m)の覇者アエロリットと、GI馬3頭が出走。GII勝ち馬も3頭いて、レベルの高い一戦になりそうです。

 まず注目は、現役屈指のGI馬ペルシアンナイトでしょう。

 マイルCSで初のGI勝利を飾りましたが、昨春にはクラシック戦線で奮闘。皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)では”勝ちに等しい”と言える、勝ち馬と同タイムの2着入線を果たしています。関西馬ですが、この中山コースで好走実績があるのは、何よりの強みです。

 ここまでのレースぶりを見ている限り、わりと器用な脚を使えますし、何と言っても”前の馬を抜こう”とする気持ちが強い馬だと思います。前走のマイルCSでも、なかなか届かないような位置から差し切って勝っていますからね。

 今回は休み明けですが、こういうタイプはいきなりでも、ある程度走ってくれると思います。

 鞍上はミルコ・デムーロ騎手。同じ日、阪神で行なわれるGIII阪急杯(阪神・芝1400m)には、自らの手でGI2勝を遂げたレッドファルクスが出走しています。マイルCSのときもそうでしたが、先約や他の理由があるのかもしれませんが、結果的にレッドファルクスではなく、ペルシアンナイトに乗るのですから、それだけのモノをこの馬に感じているのでしょう。今回も、恥ずかしい競馬にはならないはずです。

 昨年同様、このレースから始動し、次走はドバイ遠征を予定しているヴィブロスも注視すべき1頭。前走のエリザベス女王杯(5着。11月12日/京都・芝2200m)では、外枠もあってか、折り合いを欠くようなところが見受けられました。全姉ヴィルシーナと同じく、本質的にはマイラーなのかもしれませんね。

 ともあれ、今回の舞台は合うと思います。昨年は5着に敗れていますが、地力が強化された今なら、昨年以上に走れるのではないでしょうか。

 もう1頭のGI馬アエロリットも、ヴィブロスと同じように前走の秋華賞(7着。10月15日/京都・芝2000m)は舞台が合わなかったのでしょう。スピードのあるタイプなので、重馬場なのもよくなかったかもしれません。

 雨さえ降らなければ、今回の舞台では巻き返してくると思います。鞍上の横山典弘騎手が、このトリッキーな中山コースでどんな騎乗を見せてくれるのか、楽しみです。

 ところで、年が明けても、明け4歳世代が重賞戦線で目覚ましい活躍を見せています。前述のペルシアンナイトやアエロリット、さらにGI勝ちはないものの、昨春に今回と同じ舞台のGIIスプリングSを勝っているウインブライト(牡4歳)と、ここでも上位を席巻しそうなメンバーがそろいました。

 しかしながら、このレースの「ヒモ穴馬」にはあえて7歳馬のショウナンバッハ(牡)を取り上げたいと思います。


いい状態で中山記念を迎えるショウナンバッハ

 昨秋のオールカマー(中山・芝2200m)からの重賞4戦で、5着、5着、4着、6着と、決して大きく負けているわけではありません。特に前走以外の3戦は、勝ち馬からコンマ2〜3秒以内の差。上位を脅(おびや)かすところまできています。

 そうなると気になるのは、勝ち馬からコンマ8秒差で完敗した前走のAJCC(1月21日/中山・芝2200m)。原因を探ってみると、鞍上の戸崎圭太騎手が今までとは違う、前々で運ぶレースを試みていたように思えます。

 結果的にこの策は好結果を生んでいないのですが、今後への収穫はあったと思います。行きっぷりが良化していたことを考えれば、今回は距離が2ハロン短くなるのもプラス材料。前回とは違った結果が期待できるのはないでしょうか。

 加えて、今週の最終追い切りでは、坂路コースで自己ベストが出たようです。通ったコースや馬場の状態で、大きく時計は変わるので手放しに称えることはできませんが、自己ベストというだけでなく、この日の一番時計でもあったようです。状態がいいことは間違いないでしょう。

 戸崎騎手が連続騎乗するのも、大きなメリット。大物食いがあるかもしれませんよ。

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