2016年の春節(旧正月)期間中に海外旅行を楽しんだ中国人の数は600万人に達したという予測があるが、中国人旅行客の昨今の消費ぶりを見ていると、観光を楽しむというよりも、むしろ「買い物」が旅行の主な目的と言っても過言ではない状況だ。それほど中国人旅行客の爆買いは凄まじいものがある。(イメージ写真提供:123RF)

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 2016年の春節(旧正月)期間中に海外旅行を楽しんだ中国人の数は600万人に達したという予測があるが、中国人旅行客の昨今の消費ぶりを見ていると、観光を楽しむというよりも、むしろ「買い物」が旅行の主な目的と言っても過言ではない状況だ。それほど中国人旅行客の爆買いは凄まじいものがある。

 中国人旅行客による爆買いは、中国人の消費能力の向上を示す一方で、消費が流出していることを示すため、素直に喜べない事態でもある。中国メディアの中国経済網はこのほど、中国人旅行客が中国国内で消費せずに国外で消費を行うことは、中国製造業に中国製品の品質向上という「喫緊の課題」を突きつけていると論じている。

 記事は、中国旅游研究院の予測を引用し、春節期間中の中国人旅行客の消費総額が900億元(約1兆5708億円)に達した可能性があることを紹介し、その消費の大半は観光によるものではなく、質が良く手ごろな価格の海外製品の買い物が占めた可能性があると紹介。中国人旅行客の旅行の動機が観光ではなく、買い物であるというのは実に注目すべき事実といえる。

 なぜなら、今日の日本人であれば質の良い海外製品を買うためにわざわざ飛行機を利用して海外に出かけることはあまりしないだろう。日本人は質の良い製品に囲まれて生活しているため、海外製品には日本人にそれだけの努力を払わせる誘因はないと言える。従って日本人であれば観光のついでに買い物をすることはあっても、その逆は少ないだろう。
 
 中国人の海外での買い物について、記事はさらに興味深い点に言及、海外での買い物の内容が、ぜいたく品だけでなく日用品にまで対象範囲が拡大していることだ。韓国旅行を楽しんだという中国人女性は、口紅や美容パックを中国国内より非常に安く購入できることが魅力だとし、1万元(1万7500円)以上を韓国で買い物に使い、その半分は化粧品の購入にあてたという。

 中国人旅行客による国外での消費は、中国製品に魅力がないという事実を中国製造業に突きつけるものとなっている。中国では物価が上昇しているが、品質が追い付いておらず、中国製品の質の向上は喫緊な課題であると言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)