ひんやり成分「メントール」は実際に冷やしているわけじゃないって知ってた?  l-メントールのヒミツ

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 夏本番。日本列島各地で暑い日が続く今日この頃。エアコンやサーキュレーター、クールビズファッションなど、さまざまな冷感グッズが注目を集めているが、よく聞くのが、ガムや歯磨き、ボディローションや汗拭きシートなどに含まれている「メントール」。「すっきり、スースーする」のがウリのこの成分。いろいろなアイテムに含まれていて、なんだか夏の季語のようによく聞くけど、メントールはもともと、どんな成分なんだろうか?

【メントールはハッカ、ミント由来の成分】
 調べてみると、一般的にメントールと呼ばれる成分は「l-メントール」といい、主にハッカやミントに含まれる成分。天然由来のものは、草を乾燥したものを水蒸気蒸留して精油を採油するのが一般的な手法。和種ハッカで65〜85%、洋種のペパーミントで40〜45%のl-メントールが含有されている。近年では、天然由来のほか、チモール、メントン、リモネン、プレゴールといった有機化合物などからも精製されているそうだ。

【日本では昔から、メントールで涼をとっていた!?】
l-メントールには、「防虫、忌避効果」、「抗アレルギー効果」、「抗菌効果」など、いろいろな効果があり、日本でも昔から愛用されている(日本では2000年前から利用されていたという説も!)。最近、首筋に塗ったり、お風呂に入れれば清涼感が得られると見直されている「ハッカ油」もl-メントールが主成分だ。戦前は北海道北見地方や広島県などで和種ハッカの栽培が盛んで、原料も国内産だったが、現在では中国、ブラジル、アメリカなどが主要な産地となっているとか。

【メントールは「冷感受容体」を刺激する】
 で、気になるのが、l-メントール配合のボディローションを塗ると、スースーして涼しくなったような気がするが、実際に体温は下がっているのだろうかということ。
これも、調べてみたところによると、この「冷感作用」、実は温度を直接下げてはいないそうだ。l-メントールは、体内で低温を感じるたんぱく質(冷感受容体)を直接刺激することで、冷たいと感じさせる効果があるようだ。つまり、メントールは直接冷やすのではなく、脳に「冷たい」と感じさせることで、清涼感を与えているのだ。つまり、ボディーろションやハッカ油などを塗って「冷たい」と感じているのは、ちょっとした脳の錯覚なのだ。

 まだまだ、暑い日が続く(というよりも、これからが本番)ので、上手にメントールを利用して、この夏を乗り切きたいものだ。

参考文献:「最新 香料の事典」(朝倉書店)、「フレーバー ―おいしさを演出する香りの秘密」(フレグランスジャーナル社)

文●高橋ダイスケ