競泳、松田丈志は怪物フェルプスを倒せるか?
松田丈志の前には常に怪物フェルプスがいる。5輪出場3回で通算16個の金メダルを獲得し北京では8冠に輝いたマイケル・フェルプス。今回、男子200m自由形はエントリーせず連続8冠は不可能となったが、ロンドン五輪を最後の大会と明言している。果たして松田は200mバタフライでこの世界最高のスイマーを倒すことが出来るだろうか?
北京五輪200mバタフライでは自身の日本記録を大きく更新したもののフェルプスには約1秒差で銅メダルだった松田丈志。しかし2011年7月の世界選手権ではフェルプスを150m時点では抑え、ギリギリまで肉薄している。結果0秒27差の2位に敗れたが、その強化の方向性が間違っていないことを示していた。
その後、打倒フェルプスを目指し練習を続ける松田は、フロリダ州立大でライアン・ロクテと共に練習する機会を持つ。ロクテはロンドン五輪代表選考会男子400m個人メドレーでフェルプスを破り、200m背泳ぎでも入江の強力なライバルである金メダリスト。その彼との練習で身につけたものが水中での力強いドルフィンキックだ。
その成果は11月の短水路ワールドカップ東京大会で如実に表れる。世界記録の1分49秒11にわずかに及ばない1分49秒50。しかしこの驚異的な記録の短縮はスタート、そしてターン後のドルフィンキックの力によるものが大きい。理論派である彼だが、このキックを身につけられたのはテクニックの理解ではなく、しつこいほどの反復練習のおかげだという。執拗に練習を続けるロクテの姿を見ていわば原点回帰とも言えるハードな練習の大切さを知り、それが実力アップに繋がったわけだ。
自著「自分超え」のサブタイトルは「弱さを強さに変える」とある。今回は日本代表キャプテンにも選出されその受け答え、姿勢には風格も感じるがあくまでも彼の原点はチャレンジャーとしての姿勢にある。打倒怪物だけを目指してきた4年間。その努力が花開くよう心から祈りたい。(編集担当:田村和彦)
