特定失踪者の男性が国内で発見され北朝鮮による拉致とは無関係 拉致可能性の行方不明者は全国869人
宮崎県警は20日、1977年に所在が不明となり北朝鮮による拉致の可能性が排除できないとされていた70代の男性を国内で発見したと発表。拉致と無関係であると確認され、家族の要望により男性の氏名や年齢は非公開とした。
県警によると、当時20代の男性が失踪し、家族から行方不明者届を受け捜査。48年を経た昨年11月に見つかり、捜査員が面会するなどして本人と確認。男性は、拉致被害疑いの対象になっているとは知らなかったと話しているという。
警察庁によると、拉致の可能性が排除できない行方不明者は全国で869人となった。同庁のホームページには「拉致の可能性を排除できない事案に係る方々」として、行方不明者の氏名と当時の年齢が記されている。また、今年3月には神奈川県内で行方不明になり北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者とされていた85歳の男性が国内で発見されたことが明らかになっている。
2002年、拉致認める
北朝鮮による日本人拉致問題は、1970年代から1980年代にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明となった。北朝鮮による拉致の疑いが濃厚である複数の事案が明らかになってきたことを受けて1991年以来、政府は機会あるごとに北朝鮮に対して拉致問題を提起。2002年9月の第1回日朝首脳会談において、北朝鮮はようやく拉致を認め、謝罪し再発防止を約束した。同年10月、5人の拉致被害者が24年ぶりに帰国し、大きな関心を集めた。
しかしながら、残りの安否不明の方々については、今なお自由を奪われ、長きにわたり北朝鮮にとらわれたまま、現在も救出を待っているとされる。日本政府が認定している拉致事件は12件、被害者の数は17人。これは氷山の一角にすぎないと言われ国連の北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)の最終報告書(2014年)では、「少なくとも100人の日本人が北朝鮮に拉致された可能性がある」と指摘している。
なかでも、失踪当時13歳だった横田めぐみさんは、新潟市において下校途中に失踪。北朝鮮は「自殺」と主張し、安否は不明である。めぐみさんの母・早紀江さんは今年2月に90歳の誕生日を迎え、引き裂かれて48年の長い苦しみを今なお強いられている。また、1978年には当時22歳の田口八重子さんが新宿区のベビーホテルに2人の子どもを預けたまま失踪。日本政府は、1987年11月の大韓航空機爆破事件の実行犯・金賢姫の日本人教育係を務めた「李恩恵」を同一人物と見ている。
高市早苗首相は、この問題に「あらゆる選択肢を排除せず私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したい」と宣言している。失踪者の家族のためにも全貌が解明されることを願うばかりだ。
