警視庁

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 発達障害のある10歳代の少女の両手足を拘束して自宅の押し入れに閉じ込め、けがを負わせたとして、警視庁は12日、東京都内の40歳代の両親と20歳代の兄を逮捕監禁致傷容疑で逮捕した。

 少女のあばら骨には骨折した痕などがあり、同庁は、長期間の虐待を受けた可能性もあるとみて調べている。

 捜査関係者によると、3人は1月下旬頃から数日間、都内の自宅寝室の押し入れ内で、発達障害のある少女の両手足を金具などで拘束して閉じ込め、背中に全治約1週間の床ずれを負わせた上、低体温症にした疑い。両親は「共謀はしていない」などと容疑を一部否認し、兄は「何も言いたくない」と供述している。

 同月28日に母親から「子どもの体が冷たい」と119番があり、発覚した。少女は十分な食事を与えられていなかったとみられ、体重が同年齢の平均より約10キロ少ない低栄養状態だったという。現在は回復している。

 室内には見守り用のカメラが設置されており、家族が少女を押し入れ内に押し込む様子が映っていた。母親は逮捕前の調べに「しつけのためだった」と説明していたという。

 事件を巡っては、同じ少女に対する傷害と逮捕監禁の両容疑で、1月29日に20歳代の別の兄も同庁に逮捕されていた。

「虐待の疑い」と情報、児相は接触せず

 捜査関係者によると、地元の児童相談所には1月24日、第三者から虐待の疑いがあるとの情報が寄せられていたが、児相が少女と接触することはなく、4日後の同月28日に母親の119番で事件が発覚した。

 国の指針では、児相は虐待の通告から原則48時間以内に職員が直接、家庭訪問するなどして、子どもの安全を確認しなければいけない。過去には、この「48時間ルール」が守られず、虐待を受けた子どもが死亡した事例も発生している。

 少女は学校にも長期間通っていなかったという。児相の所長は12日、読売新聞の取材に「今は答えられない」と話した。

 虐待の問題に詳しい大阪総合保育大の山縣文治特任教授は「ルールの徹底は当然で、なぜできなかったのかが疑問だ。学校側も、家庭内の情報を適切に把握すべきだった。児相も学校側も、改めて経緯を検証する必要がある」としている。