音楽フェスをプロデュースする土井レミイ杏利氏

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 元プロハンドボール選手・土井レミイ杏利氏(36)が、愛媛県今治市にある「タオル美術館」の敷地内で開催する音楽フェス「FABRIC SOUND」(23、24日)をプロデュースする。日本代表として2021年東京五輪にも出場した元アスリートが、異例のセカンドキャリアに挑む思いを語った。

 TikTok内では「レミたん」として、表現力豊かで魅力的な動画を多数投稿し、SNS総フォロワー数は700万人超。エンタメとのつながりこそ現役時代から持っていたが、今回はフェスをプロデュースするという未経験の領域で勝負する。

 「自分でもフェスをプロデュースすることになるとは全く思っていなかった。(タオル美術館の)会長も含めて社員も、皆さんが本当にこの美術館を愛している。その思いというのがすごく強かった。もっといろんな人に知ってほしいと、すごい思いを持って運営されている。本当に何かお力添えできることがないのか考えたのがきっかけ」

 実際にタオル美術館に足を運んだことがフェスのプロデュースにつながった。引退後のセカンドキャリアは主にデジタルマーケティングの会社を立ち上げていたこともあり、マーケティングで同美術館の知名度を高め、集客するという側面からフェス開催に乗り出した。

 今回の音楽フェスは青空の下、柔らかな芝生の上で、寛ぎながら音楽を楽しむというリラックス型。「FABRIC(布・織物)」と「SOUND(音)」という名称はリズム、余韻、環境音、人の声が重なり合う音楽と、糸が重なり合って一枚の布になるという共通点からかけ合わされた。

 きれいな芝生にタオルを敷いて、心ゆくまで音楽を楽しむchillフェスというのがテーマで、全来場者にオリジナルバスタオル1枚が配られる。「フェス自体も新しいフェスだと思っている。寝転がってビールを飲みながら音楽を聴くことができる。完全に新しい状況。基本的にはバラード系が強いアーティストをそろえています」

 強いこだわりがありながら、チケット価格も先行販売なら1日6500円、一般販売なら1日7500円に抑えた。1日の集客が1300人、2日間で3000人弱の動員を見込み、交通のアクセスもシャトルバスを手配するなど整えている。

 出演アーティストには自ら出演交渉を行った。「本当にゼロから問い合わせページにオファーのメールを送らせてもらった。僕が直接自分のインスタグラムからアーティスト宛てにDMを送ってマネジャーにつないでもらった方もいる」とプロデューサーとして地道にキャスティング。その成果もあって出演者にはセントチヒロ・チッチや石崎ひゅーいら人気アーティストが名を連ねる。

 現役時代には思いもしなかった業務内容。それでも、新たな一歩を踏み出すことに「不安は全くなかった」と言い切る。「挑戦することが大好きなんですよ。新しい世界に飛び込んでチャレンジするのはゼロスタートだから成長しかしない。これが楽しい」。これまでもダンスやマジックなど興味を持ったことには取り組んできた。

 現役を引退して34歳を超えてから初めてパソコンの使い方も習得した。「SNSも全部スマホでやっていた。だからパソコンなんかいらなくね?と思っていた。でも、仕事をする時に絶対に必要でパソコンを買って使いだしたら『パソコンってすげえ』となった。それが引退後の一番の衝撃だった。本当にパソコンは触ったことなかったぐらい」と隠すことなく笑った。

 「FABRIC SOUND」は、将来的には恒例イベントとして継続させる意向だ。「デジタルがあふれている社会の中で、そこを一回忘れて自然の中でいい音楽を聴いて癒やされて帰ってほしい。1回ではなくて、毎年やっていくつもり。できるだけ頑張って集客して認知度を高めて継続していきたい」。セカンドキャリアは、ビジネスの世界でも尽力する。

 ◆土井レミイ杏利(どい・れみい・あんり)1989年9月28日生まれ、千葉県多古町出身。父はフランス人、母は日本人。2016年からハンドボールの日本代表入りし、21年東京五輪には主将として出場。24年5月に現役引退。TikTokクリエイターとしても活動。身長180センチ。血液型A。