教員の働き方を抜本的見直し、都教委が有識者会議設置へ…現場の慣習洗い出し「見えない業務を可視化」
東京都教育委員会は近く、教員の働き方の抜本的な見直しに向けた有識者会議を設置する。
これまでの残業時間の短縮策による効果が、十分に出ていないことが背景にある。教育業界の内外から集まった有識者が、学校現場の慣習を含めた課題を指摘し、長時間労働の解消策を打ち出す。5月に初会合を開き、年度内に議論をまとめる。
昨年6月に成立した改正教員給与特別措置法は、教員の残業時間を2029年度までに月平均30時間程度に削減することを目標に掲げる。各教委には、残業時間の削減計画を策定し、達成状況を公表するよう義務づけた。
都教委ではこれまでも教員の負担軽減に向け、外部人材の活用や校務のデジタル化などを進めてきた。23年度からは、▽残業時間が月45時間超の教員ゼロ▽授業準備の時間が取れていると感じる教員の割合80%以上――などを25〜27年度末の数値目標としてきた。
ただ、都教委が都内公立校の教員を対象に実施した昨年秋の調査では、残業時間が月45時間を超える教員の割合は小中高いずれも3割を超えた。特に中学では47・7%に上り、目標達成は難しい状況だ。授業準備の時間が「取れている」「どちらかというと取れている」とした教員の割合も4割弱にとどまった。
教員の業務は授業以外にも部活動や保護者対応、学校行事の準備など多岐にわたる。文部科学省は昨年9月の指針で、登下校時の見守りなど学校現場で慣例となってきた業務の一部を「学校以外が担うべき業務」に分類し、各教委に見直しを求めている。都教委の担当者は「教員が担ってきた業務には地域独特のものも多い。見えない業務を可視化し、必要な仕事を明確にする」と話す。
有識者会議は、▽教育学▽働き方改革▽行動経済学▽労働法▽マネジメント――などに詳しい研究者や企業・労組関係者ら7人の委員に加え、学校現場から都内各校の校長ら6人がオブザーバーとして参加する。現場で負担になっている慣習も改めて洗い出して議題に加え、教員の意識改革に向けた方策を練る。校長ら管理職の運営管理機能や都教委の業務運営の改善も図る。
23日の都教委定例会では、教育委員から「学校以外の企業・団体の働き方改革の取り組みも参考にしてほしい」とする意見も出た。都教委は有識者会議での議論を踏まえ、来年度以降の取り組みや目標をまとめた新たな計画を年度内に策定する。
