自由民主党本部

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自動運転向け国産AI開発支援やAIロボット導入加速も

 自民党がまとめたAI(人工知能)政策に関する提言案が判明した。

 昨年9月に全面施行された人工知能技術研究・活用推進法(AI法)に関し、AI事業者への調査に実効性をもたせるため、罰則を含めた対策の検討を政府に求めた。著作権侵害のコンテンツ生成が多い事業者には、政府が積極的に調査・指導することも盛り込んだ。

 党デジタル社会推進本部のAI・web3小委員会(委員長・平将明前デジタル相)がまとめた。近く政府に提出し、政府は提言に沿って政策の検討を進める見通しだ。

 提言案では「生成AIによって生じる(本物そっくりな偽画像などの)ディープフェイクの被害や著作権侵害が顕在化している」と指摘。現行のAI法には罰則規定がなく、「AI時代の課題への実効的対処手段は限られている」との課題を挙げた。政府がAI法に基づき報告要請しても従わない悪質なAI事業者を念頭に、「罰則を含めたより実効性ある適切な方策を検討」するように求めた。

 欧州連合(EU)のAI法は、情報提供の要求に応じない事業者には罰則を科している。提言案では、罰則がないままでは他国がAI事業者から得られる情報を日本は得られない状況になりかねない点を理由に挙げている。

 海外製の生成AIサービスでは、日本のアニメや漫画のキャラクターに酷似した動画や画像の無許諾での生成が相次ぐ。提言案は「生成防止措置や学習データの実態などに関する説明、対応状況の報告を積極的に求め、AI法に基づく指導など必要な措置を講じる」ように政府に要求した。

 日本の「AI主権」確保に向け、AIに関する自律性を高めるべきだとも主張。政府に対し〈1〉自動運転車向けの最新の国産AIの開発支援〈2〉ロボットに使う部品や半導体の国内開発強化〈3〉「ロボット特区」を通じたAIロボットの導入加速――などを求めた。

 日本のAI法は、国が研究開発を後押ししつつ、リスクに対応することを目的に制定された。同法16条では、AIの悪用で国民の権利が侵害される事案が発生した場合、国が調査し、事業者に対して指導、助言することを規定している。