入眠時の深部体温低下が阻害されると、睡眠は断片的になり、回復力も低減するという/Kevin C Moore/Image Source/Getty Images via CNN Newsource

(CNN)厚手の毛布の下で寝返りを繰り返した経験があるなら、暑すぎることがどれほど睡眠を妨げるか、身を持って感じたことがあるだろう。

「温度は睡眠において最も過小評価されている要因の一つ」と、全米睡眠財団の研究・科学部門でシニアバイスプレジデントを務めるジョセフ・ジエルゼウスキー氏は述べている。「光、画面、ストレスについてはよく耳にするが、温度や空気の流れのわずかな変化でさえ、寝つきや睡眠の深さに影響を与える」と指摘する。

同氏によると、人は入眠時に深部体温が約0.6〜1度下がるが、この過程が少しでも阻害されると、睡眠は断片的になり、回復力も低下するという。

最も重要なのは、ジエルゼウスキー氏が「快適な睡眠マイクロクライメート(微気候)」と呼ぶ環境を整えることだ。つまり、肌、寝間着、寝具の間に熱がこもらない状態である。

「人によっては裸、あるいはごく薄着で寝ることを意味するかもしれない。軽くて吸湿速乾性に優れた素材が適している人もいるだろう」(ジエルゼウスキー氏)。目標は、快適さと安心感を得ながら、体が自然に熱を逃がせるようにすることだ。

米オレゴン州ポートランド在住のブライアン・ディーバ・コックスさんにとって、快適な寝心地を実現するのに最も手っ取り早い方法は、パジャマを着ないことだという。裸で寝ることは10代の頃から習慣になり、大人になった現在は毎晩ではないものの、快適さや回復を優先したい時、特に時間が足りない夜には今でもそうしている。

「すっきり目覚められる」とコックスさん。翌日は決まって活力にあふれ、スマートウォッチの睡眠チャートを見ても睡眠の質が改善していることが分かると言い添えた。

パジャマを着ない、あるいはより薄手のものに着替えるなど、保温性を下げることで体が熱を放出しやすくなる。興味深いことに、ジエルゼウスキー氏は、就寝前に手足を温めると、体がより効率よく熱を逃がし、入眠も早まると指摘する。手足が冷えやすい人は、睡眠中に手足を快適な温度に保つことで、より安定した睡眠が維持できる。

空気中の湿度も重要だ。

「湿度が高いと、発汗による体温調節機能が制限される」(ジエルゼウスキー氏)ため、マットレスや寝具、寝間着に通気性と吸湿性に優れた素材を使うことで、体温を効率的に下げることができるという。

また、室温を約15〜19度前後に保ち、換気を良くすることも望ましい。だが、快適な温度は個人差があるため、柔軟に対応するべきだとしている。暑がりの人や、ホルモンバランスの変化がある人は、やや低めの温度を好む傾向がある。

単に室温を低めに設定するだけではなく、その状態を一晩中安定して保つことが重要だ。温度が大きく変動すると、体温が上がり夜中に目が覚める原因になり得る。

低温は精子形成にも影響

温度は睡眠の質だけでなく、生殖に関する健康にも影響を与える。

CNN寄稿者で、米オーランド・ヘルスの泌尿器科医兼ロボット手術医のジャミン・ブラームバット氏は「精巣が体外にあるのには理由がある。最適な精子の形成には、深部体温よりも数度低い温度が必要だからだ」と述べている。そのため、就寝時に何を着るか、あるいは何を着ないかが重要になる。

ブラームバット氏は、ボクサーパンツを着用する男性は体にフィットする下着を着ける男性よりも精子濃度が高かったとする米ハーバード大学の研究にも言及した。ただし、重要なのは締め付けそのものではなく、熱だという。

「締め付けの強い下着は体温を閉じ込める」と同氏は指摘。「問題は締め付け具合というより、どれだけ熱がこもりやすいかにある」

つまり、裸であれ通気性の良い衣服であれ、涼しい状態で寝ることは、夜間の体温上昇を抑えることができるということだ。睡眠の質を高めること自体が、ホルモンの健康を支えることにつながるという。

「男性は睡眠の質が良くなると、テストステロンの分泌量が増える」とブラームバット氏は言い添えた。テストステロンは主に睡眠中に生成されるため、深く質の高い休息は、エネルギーや気分、性機能の向上につながる。睡眠の質を高めることでホルモンバランスが改善し、性欲も高まると同氏は述べている。

「こうした効果を得るのに、裸で寝る必要はない。ただ、涼しく眠ればいい」(ブラームバット氏)

気負わない親密さ

パートナーと裸やごく薄着で寝ることは、体温調節以外にもメリットがあるかもしれない。

CNN寄稿者で公認結婚家族療法士のイアン・カーナー氏によると、カップルによっては、肌と肌を触れ合わせて抱き合うことが「つながりや親密さを感じる方法」になるという。必ずしも性的なものである必要はないが、つながっている感覚を保ち、時として性行為の機会を増やすことにもつながると指摘した。

たとえ性行為に至らなくても、肌と肌が触れ合うこと自体、絆や情緒的な親密さに関わるホルモンであるオキシトシンと関連していると同氏は語る。

カーナー氏は裸で寝ることが必須条件だとは考えていない。だが、それをきっかけにベッドに入り、裸になり、携帯電話を手放して、少しの間、お互い人間らしく向き合う時間を過ごすことはできるかもしれないと述べている。