深刻な花笠不足を救うベトナムの伝統技術と活気あふれる首都ハノイの今を現地取材
「木曜特集」でベトナムでの現地取材を通して山形県内の花笠不足を解消するための取り組みをお伝えしました。17日は、番外編として、記者が現地で触れてきたベトナムならではの文化や観光地を紹介します。
取材した古川真斗記者です。
ベトナムは、日本からおよそ3500キロ西にある東南アジアの国です。国土の面積は日本とほぼ同じくらいで南北に長いのが特徴です。人口はおよそ1億3030万人。通貨はドン。平均年齢は30代と若い世代が多いのが特徴です。
2月に訪れたんですが、気温は20度前後、日中は少し暑く感じ夜は過ごしやすい気温でした。
2024年2月、ベトナムの首都ハノイです。
今回同行したのは、山形市で花笠を生産する尚美堂の逸見良昭社長ら4人。
また、テレビの取材ということでベトナム外務省の担当者も一緒でした。
ベトナムと聞いて私がイメージしていたのはバイク。やはり、街中ではエンジン音やクラクションが鳴り響いていました。
JETRO山形貿易情報センター古賀健司所長 「クラクションは存在をアピールするため。相手を威嚇してるわけではなく。後ろにいるので注意してくださいといった感じ」
「あれ見てください。ガス運んでる」
「今の時間帯は帰宅ラッシュ」
見たことのない光景に終始圧倒されました。
「見渡す限り。隙間もないくらいバイク」
そして、楽しみにしていた食事です。
これは「フォー」です。こちらの店は朝からすでに満席。ツルツルの麺とあっさりとしたスープが朝食にぴったりでした。ベトナムでは揚げパンをスープに浸して食べることも多いということで味変としておいしく頂きました。
また、ベトナムコーヒーはすごく味が濃いんです。実はベトナムはブラジルに次いで世界2位のコーヒー生産国なんです。甘いコンデンスミルクと一緒に味わいます。
JETRO山形貿易情報センター 古賀健司所長 「ベトナムコーヒーって元々苦くてロブスタ種を使っている日本の缶コーヒーにも使われているのでミルクコーヒーにすると日本の缶コーヒーみたいな味」
今回一番気に入って最終日だけで5杯飲みました。
一方、こちらはベトナムで人気の観光地「チャンアン」。渓谷を船で進むボートツアーが人気です。
鍾乳洞のトンネルをすれすれで通過したり、川沿いにたたずむ寺院を眺めたりしながら、雄大な自然を堪能することができました。
ここからはベトナム国内でかさ作りをする村を紹介します。
向かったのは、ハノイから車でおよそ1時間。湿地帯に囲まれた村「ザイタイ村」です。
ここで作られているのが頭の尖ったベトナム伝統の笠の「ノンラー」です。
ザイタイ村・ラム村長 「ノンラーは畑仕事や雨よけなどの普段使いのほか結婚式のときは花嫁にお守りとして贈られます」
祭り用のかさは、ノンラーを作る技術を応用しタケノコの皮とヤシの葉を糸で縫い合わせて作られます。
山形の花笠まつりは、生産者の高齢化に伴いかさ不足が深刻化。2023年初めて、ベトナムでかさが登場しました。
ここではおよそ120人の職人が山形のために、かさを作っていました。
尚美堂・逸見良昭社長 「山形のかさを編む技術とは違うが、技術の高さは引けを取らない」
実はこの村では、かさのほかにもこんな工芸品を作っています。
それがくしや箸置きなどの日用品。さらには龍をかたどった置物まで作っています。
実はこれ、同じ材料で作られているんです。
水牛の工芸品を電動やすりで削って作られていました。独特のつやがとても綺麗でした。
こちらは髪をといでも静電気が起きないのが特徴とのことでした。
お土産品のほか、大きな置物は中国への輸出用として作られているということです。
かさを通じたベトナムとの交流について政府関係者も期待を寄寄せいています。
訪問最終日、一行は、日本国大使館を訪れました。
伊藤直樹大使は今回の取り組みをきっかけに日本各地でベトナムとの交流や繋がりが広がってほしいと話します。
伊藤直樹駐ベトナム日本国大使 「経済分野で投資や貿易を伸ばしていくことも重要。ただ、国と国の関係を支えていくのは人と人の交流。同じような形で日本とベトナムの伝統を結びつけるような試みが日本のほかのところでも広がることを期待したい」
尚美堂によりますと10月ごろにベトナムで開かれる日本祭りには、山形の大学生が参加し現地で花笠の踊りを披露する予定です。
かさ不足から始まったベトナムと山形の交流。これまではかさだけのやり取りでしたが今後は、人同士が交流することでお互いの国の文化や生活を知るきっかけになってほしいと思います。
