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【これは2025年度話題の記事を再掲載・再構成したものです。※2025年8月13日掲載内容】

【写真を見る】【奇習】お盆になると家々につるされる”ミニカー”は先祖の霊に関係が…海沿いの地区に伝わる”あったかい風習”とは(山形)【2025年度話題の記事】

■おかしな光景?

山形県の海沿いの街、遊佐町の一角。ここに、世にも珍しい風習があるという。

歩いてみても、なんの変哲もない・・・ように見える街並み。しかし。

家の軒下を見てみると、そこにあったのは・・・車?

なぜか車が吊るされているのだ。

何かの暗号だろうか。秘密結社のアジトなのだろうか。

違う家の軒下には・・・

二階建てバス。

この行為には、どんな意味が?

さらに歩を進めて別の家を見てみると・・・なんとも懐かしい鉄道車両。

なんのために吊るしているのか。謎は・・・深まる。

■住民発見

ここは遊佐町の水上地区。23世帯が暮らす、のどかな場所だ。

住民に話を聞いた。

「あれは、ご先祖さまをお迎えするために飾っている」

ご先祖さまを?迎える?

この家にも車が吊るされていた。しかもどんな悪路もへっちゃらの4WD車だ。

「飛行機や電車を飾っている家もある」と住民は続けた。

■大切なお盆の風習

みなさんは、「精霊馬(しょうりょううま)」をご存じだろうか。

野菜で馬のような形を作る、あれである。

実はこの地区では、一般的なナスやキュウリで作る精霊馬ではなく、お盆に車を飾るのだという。

その名も「精霊車(しょうりょうしゃ)」。・・・そのまんまである。

どんな願いが込められて、こうなったのだろうか。

その願いとは、

「ご先祖さまに、より速く、快適に帰ってきてほしい」のだそうだ。

・・・なるほど。だから馬ではなく、車なのだ。

伝統的な風習と言いながら、ちょっと近代的な気がする。そこがなんともミステリアス。

■特別な「習わし」

また、親族が亡くなった家庭では、亡くなった年から3年間、個人を弔うために豪華な馬の飾りを吊るすのも、習わしのひとつ。

とにかくご先祖リスペクトのすばらしい習わしだ。

とある家におじゃますると・・・何やら豪華な棚がある。

家人は軒下の車を指さして話し出した。

「ご先祖さまがこの車に乗って家に帰ってくる。お迎えしてごちそうするために、棚をつくっている」

おしょれ棚、と呼ぶらしい。

飾った状態は・・・以前の写真を見せてくれた。

とーっても豪華!!

お盆の間、きれいに飾り、餅などが供えられてご先祖さまをおもてなしするのだそうだ。

■ご先祖さま、車で帰る

家族とご先祖さまは、一緒に楽しくお盆を過ごし、そして・・・

ご先祖さまは、またあの車・精霊車(しょうりょうしゃ)に乗って帰っていくのだという。

住民はこう言った。

「こういう風習はどこでも同じだろうけど、だんだん廃れていく」

「自分もせがれがいるが、風習を残して教えていきたい」

軒下にぶらさがった車。この一見不思議な光景は、ご先祖さまを思う気持ちが、カタチになったものだった。

最後に、いつごろはじまったんですか?と聞いてみた。

「わたしらが生まれるまえから。ずっとやっている。・・・よくわかりません」

これもまた、いい。

誰となくはじめ、そして地域に広がった。まさに”風習”である。

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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2593045?display=1