この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショー2025にトヨタがブースを出展し「カヨイバコ」シリーズを展開

■ハイエース・コンセプトに続くトヨタの商用車の主役が「カヨイバコ」シリーズだった

■荷運び支援ロボや自動運転タクシーなど多層的な提案がなされていた

トヨタは「カヨイバコ」をシリーズ展開

 10月29日から「ジャパンモビリティショー2025」が始まりました。今回のトヨタ・ブースの展示では、華やかな乗用車よりも、お仕事用の商用車のほうが話題の勢いが大きいようにも感じられました。その商用車の話題の中心は、20年ぶりにモデルチェンジの兆しが見えた「ハイエース・コンセプト」だと思いますが、そのハイエースを含む「カヨイバコ」シリーズ群での提案がてんこ盛りで、トヨタの本気度がうかがえます。

 ここではその「カヨイバコ・シリーズ」のラスト(ワン)マイルを支援する目的で開発された小さなモビリティたちにフォーカスして紹介していきます。

【KBリフター】

 2025年版「カヨイバコ・コンセプト」のすぐ後ろに展示されていたのが「KBリフター」と名付けられた小型の荷物運搬アシストモビリティです。リフターという名称が示すように、昇降する荷台が備わった自走できる荷運び機です。

 このモビリティは、「カヨイバコ・コンセプト」のフロアや荷物のラックに合わせた寸法で作られていて、クルマで目的地まで運んだあとの、これまで人力で運んでいた場所での荷運びをサポートをするために作られました。

 ターゲットは重たい荷物をもち運びするのが困難な老人や腕力に支障がある人で、力が必要な揚げ降ろしや、長く歩くような距離の移動を代わりに行ってくれる機能が備わっています。荷台上面にはベルトコンベア機構まで備わっていて、水平移動も行ってくれます。まるで超コンパクトなフォークリフトといった感じです。

 注目は操作部分で、ブルホーンタイプのハンドルに備わったスイッチやレバーの操作のみで動くため、大きな力は必要ありません。

 解説および撮影のモデルとなっていただいたのは、これらの支援系モビリティや「meシリーズ」の開発に携わったデザイナーの井上さん。

【CHIBIBO】

 SF映画やアニメに出てきそうな佇まいの「CHIBIBO(チビボ)」は、その雰囲気のとおりに4つの脚で可愛らしく歩行して荷物の移動をサポートしてくれるロボット型モビリティです。歩行で移動するため、車輪で移動するタイプでは通れない段差のあるところや階段を移動できるのが特徴です。

 これも「カヨイバコ・コンセプト」の室内に搭載したデモンストレーションが行われていて、セットで運用することで、ラストマイル運搬の手助けをしてくれます。

 コマンドを送ることで自律で行動してくれる機能が備わっている設定なので、ちょっとした荷物はドライバーが運転席から動かずに相手の手もとまで運ぶことができるようです。

トヨタのはたらくクルマは「運ぶ」だけにとどまらない

【coms-x】

 これも「カヨイバコ」シリーズのラストマイル運搬を支援するモビリティのひとつ。コンパクトでスリムな作りになっていて、クルマでは通れない細い路地や通路で運用することで「誰でも働ける」ようになる手助けができるというのがテーマ。

 今回は「ハイエース・コンセプト」とセットで展示されていました。「coms-x」の荷台に備わったトレーを引き出すとハイエースの荷台とツライチになるので、大きな力の必要な荷物を揚げ降ろしする動作をしないで移すことができるようになっています。

 そして、「ネオステア」と名付けられたU字状のステアリング型コントローラーにも注目。誰でも安全に運転ができるようにと設計されたユーザーインターフェイスによって、手元だけで直感的な操作を可能にしています。

活用例として自動運転のタクシータイプを展示

 商用車コーナーの一角には、「カヨイバコ・コンセプト」の車体を活用する実例として、タクシー用途のためにアレンジされた「KAGOBO」という車両が展示されていました。

 この車両は「カヨイバコ・コンセプト」のフルフラットなフロアと広大なスペースを活用した提案例のひとつで、最後尾にベンチタイプのシートを3座と、前端に後ろ向きの折りたたみ式シートを2座、そして車いすを固定するアンカーを二箇所備えていて、最大で7名での移動が可能です。

 スペース的には8人以上乗れそうですが、この車両では車いすが社内で展開できるスペースを確保している点が特徴となっているようです。

 そして、画像で「あれ?」と思った人もいるかもしれませんが、この車両には運転席が備わっていません。完全自動運転が前提となっているのです。無人の「Uber」的な感じで、スマホやPCで車を呼び、設定した目的地までは自動で送り届けてくれるというシステムだそうです。

 呼び出す際に温度設定を送っておくと、到着時には適温に整っているという機能や、シートアレンジを代えるリクエストも可能というサービスも想定しているとか。

 外装には自動運転のためのセンサー類が装着されていて、黒い部分には他車に告知を行ったりするためのディスプレイが備わっています。

 ちなみに「KAGOBO」というのは、江戸時代の「籠」とロボットをかけた名前だそうです。