「SNSは持たざる者の最強ツール」ネットで話題のコメ農家「米利休」東大卒業の農家の戦略 SNSを駆使し農業の未来を耕す男性の素顔(山形)
人口減少、高齢化が進む山形県内で影響が顕著に表れているのが「農業」です。この農業の世界に新たに飛び込んだ男性がいます。SNSを駆使しながら活動する姿を取材しました。
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川西町で農家を営む笹木廉さんです。去年から祖父と共に農業を始め”米利休”(こめのりきゅう)を名乗っています。
米利休「農業って天候のリスクはあるけど、めちゃめちゃ需要がある作物なので、リスクでいうとかなり低い。長く食べていくのにはいいのかな」
26歳の笹木さんは、学生時代に通販事業を行ったり、ゲーマーとして活動したりと農業とは無縁な生活を送っていました。
しかし、祖父が営む農業が廃業寸前だったことから農業について考えるようになりました。可能性を感じたのも最近のことです。
米利休「(Q 昔から農家に興味があったんですか?)それがですね、まったくなくて。何なら農業を絶対にやらないぞという信念で生きてきた」
その信念を曲げて農家の道を選んだ笹木さん。農業については素人でしたが、自身の強みがその道に進む力になりました。
■「植物は科学の世界」
科学の視点です。笹木さんは東京大学工学部を卒業していて、学生時代の経験と考え方が武器でした。
米利休「僕がやっていた研究は、答えのないものを実験しながら、合っている、合っていないを1つ1つ模索しながらやっていく。植物って科学の世界だと思う。きっと科学というところだったり、(農業は)トライアンドエラーというところとは切り離せない職業」
農業には、生産面だけではなく、売り方の工夫や人のつながりも大切です。そこで活用したのがSNSです。
米利休「持たざる者の最強のツールがSNSなんですよね」
SNSは名刺代わりにもなりました。今の農家仲間もSNSで知り合った人たちです。顔や、自分がどんなことを考えているのか知ってもらおうと動画制作にも力を入れました。
米利休「自分の家のお米はおいしく感じる。自分のじいちゃんがすごく頑張ってお米を作ってくれているのを知っているからこそ、自分の家のお米を美味しいと感じたというはあるのかもしれない。商品が変わらなかったとしてもその背景を知っているだけで味が変わるような気がしている」
初めに投稿したSNSの動画は、1日で200万回再生され、3か月間で総フォロワー数が20万人になりました。
■選ばれる動画づくりと米作気の共通点
選ばれる動画づくりと選ばれる米作りに共通点があることも分かってきました。
米利休「稀有性の高いコンテンツを作る」
品質のいいものが溢れている現代だからこそ、良いものを作るだけではなく、他の商品と差別化できることが販路拡大にもつながります。
「さっそく奥でSNS動画を撮影している米利休さんのところに行きたいと思います」
動画の制作は、弟と共に行っています。およそ1分の動画に農業が抱える課題や農家の日常を詰め込み、動画クリエイター「米利休」として発信しています。
米利休「やっぱ明らかに見たことのないサイズなんですよね、やあ楽しみですね、収穫が」
1本の動画を完成させるまでにかかる時間は6時間。こうして、多くの人に笹木さんの思いが伝わっていきます。
■大きな出来事が!
そんな中、今年6月、大きな出来事がありました。「TikTok上半期トレンド大賞2025」で、イノベーター部門賞に選ばれたのです。
農業の発信と農業ビジネス業界の成長を目指し活動する姿が評価されました。
米利休さん「食を支えているという部分で、絶対に必要な食をつくっているので人間の命にかかわる仕事ができている、少なからずお役に立てているんじゃないかなと思っています」
米利休さんは今、仲間と共に農業の法人化に挑戦しています。
米利休「(法人化)経営を健全化できるのか一番大きい」
■広がる夢
そこから広がる夢もありました。
米利休「どのタイミングで作れなくなるか分からない田んぼがたくさんある。そういった田んぼを自分たちで守って、守った結果規模を大きくしていけるような安定した農業法人をやっていけたらなと思う」
「じいちゃんが今まで60年間積み重ねてきたものがあって自分たちは幸せに生きていける、これを見せていきたい」
