この記事をまとめると

■スーパーカーは走行距離4000km超で価値が大きく下がるとされる

■一方で走行を楽しみ抜くオーナーも多く存在している

■適切なメンテナンスで耐久性は高まり長期使用も可能となる

価値を守るか走りを楽しむか

 新車でオーナーのもとにデリバリーされた多くのスーパーカーは、そのほとんどの時間をガレージのなかで過ごすのが一般的だ。オーナーは日常の移動手段としてほかのクルマを使用するというスタイルがほとんどであるし、それでもなおスーパーカーの世界に触れていたいという贅沢なオーナーのためには、各社からより実用的なSUVが投入される時代にもなった。

 先日、ある場でスーパーカーのオーナーに話を聞く機会があったのだが、その後の買い替えを考えるのならば、新車からの走行距離は4000kmほどを上限とするのが望ましいという。この数字を超えるといわゆる中古車としての扱いとなり(実際には新車で登録された瞬間に、それは中古車となるのだが)、その価値が大きく下がるというのだ。スーパーカーを効率的に買い替えていくなら、やはり走行距離とコンディションが大きな目安になるらしい。

 その一方で、手に入れたスーパーカーで徹底的に走り尽くすオーナーがいるのもまた事実だ。走行距離が増えたからその価値が下がるなどということはどうでもいい話であって、スーパーカーが与えてくれるドライビングプレジャーこそが、彼らにとってはもっとも重要な価値をもつものなのだ。日本で一般的なドライバーが年間に走行する距離は1万km前後といわれているが、ヨーロッパやアメリカでは、この数字はさらに大きなものになる。もちろんスーパーカーとてそれは例外ではない。

適切なメンテナンスさえ行えば耐久性は高い

 スーパーカーといえば、まずイメージされるのは高性能なパワーユニットだろうか。たしかにどのメーカーの作を見ても、そこにはそれぞれが誇る最新の技術が導入されているが、そのなかには極限の使用状況で最強の耐久性を維持するための技術も含まれている。とくに現代のスーパーカーにおいて、それは重要な開発コンセプトであり「最速でかつ最強のクルマ」こそが、スーパーカーの頂点に位置するモデルであるということの定義になっているのだ。

 現在では、10万km、20万kmといった数字をオドメーターに走行距離を刻んだスーパーカーも珍しくはなく、なかには50万km超えという、これはこれでワールドレコード並みのモデルも存在するというが、これらの多くに共通するのは、やはりその途中で定期的なメンテナンス、あるいはオーバーホールといった作業を受けていることだ。

 つまり、適切なメンテナンスを受ければ、フェラーリであれランボルギーニであれ、その走りは再び本来の魅力を取り戻すわけであり、たとえそれに100万円単位のお金が必要になったとしても、長年所有してきたスーパーカーをこれからも乗り続けられるのならば、裕福なオーナーにとってそれは大した出費とは感じられないのかもしれない。

 世界各国の過酷な環境でテストを繰り返し、さらにはル・マン24時間レースに象徴されるモータースポーツでも鍛え上げられて採用されるスーパーカーの最新技術。それが組み合わさって完成されるプロダクトの耐久性は想像以上に高い。リセールバリューが低下することだけは残念ながら避けられない事実だが、手に入れた1台のスーパーカーを長く、徹底的に乗るということも、これからはひとつのスタイルとなっていくのではないだろうか。それはまた、スーパーカーは耐久性に乏しいという定説を覆す大きな原動力となってくれるに違いない。