味太助

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暑さ寒さも彼岸まで。もうすぐ秋分の日ですので、2025年の記録的な暑さもそろそろ和らぐ頃ではないでしょうか。「行楽の秋」という言葉もあるように、本格的な秋に向け旅行を計画されている方も多いと思います。あるサイトに「この秋行きたい都道府県ランキング」がありました。1位は北海道、加えて10位以内に東北が4県入っていました。やはり少しでも早く「紅葉の秋」を楽しみたい、という表れなのでしょう。そこで今回は9位にランクインし、東北地方で最も人口が多い宮城県を取り上げたいと思います。紅葉の名所もご当地グルメも数多くある宮城県。これからの旅行のお供に、「食欲の秋」と「読書の秋」にぴったりの当記事をぜひお楽しみください。

ご当地めし総選挙で4位の快挙

第1弾は宮城県が誇るご当地グルメ「仙台牛タン」です。以前、テレビ朝日系列で放送された「今、行って食べたい!日本のご当地めし総選挙」では見事4位に入賞しました。ちなみに1位は大阪「たこ焼き」、2位は愛知「ひつまぶし」、3位は広島「お好み焼き」。誰もが納得するベスト3に次ぐ4位。なかなかの快挙です。

仙台に牛タン屋は100店ほどあると言われています。老舗からチェーン店、穴場のお店まで多種多様ですが、今回は思い切って「超」がつく有名店を取り上げます。王道を歩む5企業の牛タン対決やいかに。ではスタートしましょう。

『味太助 本店』VS『旨味太助』

最初のバトルは、『味太助 本店』VS『旨味太助』の宿命の「仙台牛タン元祖対決」です。仙台の「牛タン」は昭和23(1948)年、『味太助』の初代店主が始めたと言われています。洋食で使っている牛タンの旨さにとりこになり、試行錯誤のすえ「牛タン焼き」が誕生したとか。それから70余年、『味太助』は初代店主の息子が腕を振るっています。

味太助

そしてもう1店、『味太助』の流れをくむお店が『旨味太助』です。こちらは『味太助』の初代店主の娘婿が店主をつとめており、いわば兄弟店になります。その違いを確かめようと同日お昼に両店を訪問し食べ比べてみました。

旨味太助

肉厚で噛み応え抜群の『味太助』

以下は、あくまでも筆者の感想です。

ではまず『味太助』の紹介から。当店は東北随一の繁華街「国分町(こくぶんちょう)」にお店を構えます。威風堂々とした外観に元祖の矜持がうかがえます。注文したのは王道の「牛たん焼1人前(3枚)」の単品です。さすがに旨い。肉厚で噛み応え抜群。牛タンの味がじわっと口の中に広がります。お店の方によれば、オーストラリア産の牛タンを使っているとか。(以下、各店の牛タン産地や値段などは2025年6月現在)

なお、仙台牛タンに欠かせない漬物は、青菜が使われていました。

味太助(牛たん焼)

個人的には『味太助』の肉質が好きだが、美味しさに差はない!

『味太助』から歩いて1分ほどで『旨味太助』に到着します。味太助とまったく同じ「牛たん焼き3枚」の単品を注文したところ、同店では3枚を半分に切って6枚にして提供されました。肉は『味太助』のほうが厚い印象ですが、こちらも旨い。師匠が一緒ですから当たり前かも知れませんが、味の傾向は同じです。

ただ、うまく説明できませんが、続けて食べたからこそわかる微妙な味や触感の違いもわかります。ちなみに当日の牛タンはカナダの肉だそうで、漬物はこちらも青菜でした。

旨味太助(牛たん焼き)

さて、「太助対決」の勝負やいかに。まず肉です。個人的には『味太助』の肉質が好きでした。続いて味はほぼ同じ。脇役たる漬物は同点。牛タン焼きに欠かせない生ビールも差がなく美味しい。値段は同じ3枚物が『味太助』が1600円、『旨味太助』が1800円。もうこれは勝負がつきません。皆さまもぜひ比較ツアーをご検討ください。

看板に「仙台名物」と入れた『味の牛たん 喜助』

続いて、両「太助」に続く老舗と言われる昭和50(1975)年創業の『味の牛たん 喜助』に訪問してみましょう。元祖『味太助』の味に惚れお店を立ち上げ、2号店の看板に「仙台名物」と入れたことがきっかけで、「仙台=牛タン」が知られるようになったとか。現在は全国に15店ほど展開する企業になりました。

筆者が訪問したのは仙台駅前にある「南町通店」。同グループの特長は、両「太助」がほぼ専門店なのに対し、「ゆでタン」や「牛タンシチュー」などメニューが豊富なことです。仙台牛タンの多店舗化、メニューの多様化は同店がきっかけだったのかも知れません。

喜助

筆者が食べたのはやはり単品の「牛たん焼き」で、「2枚(4切れ)」というダイエッターには嬉しい選択もありました。味や肉質は、同社の憧れ『味太助』と同じ印象でした。産地はアメリカ、カナダ、オーストラリア、などその時々とか。個人的には漬物(白菜)の美味しさは今回訪問した中で、「喜助」がベストでした。

喜助(牛たん焼き)

東京や大阪など各地に店を構える『牛たん炭焼き 利久』

『喜助』が切り開いた、多店舗化、メニューの多様化を一気に拡大したのが『牛たん炭焼き 利久』です。今では東京や大阪など各地に約90店舗を構える一大外食企業になりました。筆者も仙台勤務時代(2000年代に8年ほど住んでいました)は、よく利久にお邪魔したものです。

利久

利久(牛たん焼)

行列店が多い中、穴場だったのが「東七番町店」。いつもゆっくり過ごしたことを思い出します。当グループの特長は、「牛たん」の美味しさ柔らかさのみならず、専門店にも負けない魚の刺身が食べられること。仙台の夏の風物詩「ほや」を始め、何を食べてもハズレがありません。

利久(ほや刺し)

最新店は商業施設『仙台PARCO2』にある『撰 利久』。先日出張の際に訪問しましたが、変わらぬ味にうっとりしてしまいました。なお、牛タンの産地はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国だそうです。

『たんや善治郎』が面白い!

続いて、最近面白い店舗展開をする企業が『たんや善治郎』です。現在、宮城県内で10店舗ほど運営しますが、話題のお店が『五橋横丁たんや善治郎別館』。ここは横に長い歴史ある商業施設を改修し、『たんや善治郎』を主力店として「立ち飲み処」や「三陸海鮮部」「五橋キッチン kiechan’s」が軒を並べています。

五橋横丁とたんや善治郎

たんや善治郎(牛たん焼き)

「屋台村」のように、各店で宮城の色んな名物料理が頂けるのが特長です。筆者は『たんや善治郎』に陣を取り、まず頼んだのが「牛たん焼き」の単品3枚(6切れ)です。そして追加で、「五橋キッチン kiechan’s」の「天中華」を出前してもらいました。「天」は天ぷら、「中華」はラーメンです。実は両者の相性ってとてもいいんですよね。大満足でお店をあとにしました。なお、牛タンの産地は、オーストラリアとニュージーランドだそうです。

たんや善治郎(天中華)

今回は仙台シリーズ第1弾、「牛タン食べ比べ」でした。仙台の「牛タン」といえば「麦飯」や「とろろ」、「テールスープ」とのセットが定番です。お気づきの方もいらしたかも知れませんが、今回は食べ比べをしたために泣く泣く単品の「牛タン」(とビール、笑)が中心になってしまいました。取材は終了しましたので、次に仙台に行く時は、じっくり定食をいただきたいと思います。

文・写真/十朱伸吾

おとなの週末Web専属ライター。旅と食とビールと競馬をこよなく愛する。ツーリングとゴルフも趣味。ツーリングの成果でダイエットにも成功。

【比較画像】これが、仙台の超有名店5店の自慢の牛タンだ!(12枚)