Iconic Auctioneers

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来る8月23日、故エリザベス女王二世が実際に愛用した2006年式ランドローバー・レンジローバー「4.2スーパーチャージド ヴォーグSE」がシルバーストン・フェスティバルにてIconic Auctioneers(アイコニック・オクショニアズ)に出品される。当該車両は、イギリス王室が所有した唯一のスーパーチャージド仕様のレンジローバーである。

【画像】マスコットは狩りをする犬。エリザベス女王が愛用した特別なレンジローバーの内外装(写真12点)

2006年4月25日に契約番号41478としてランドローバー特別車両部門(Special Vehicle Operations)から納車され、女王陛下専用として使用されていた。ナンバープレート「BJ06 ZGM」を装着したこの車両は、2007年のロイヤル・ウィンザー・ホースショーで女王陛下が実際に使用している姿が写真に記録されており、由緒正しい来歴が証明されている。

王室伝統のトンガグリーンというエクステリアカラーにオックスフォードサンドレザー・インテリアと、最も象徴的な王室カラーコンビネーションを採用。また、内装にはバールウォルナットの木目パネルが贅沢に配され、クリアガラスが装着されている。

サイドステップ、マッドフラップ、荷室マット、後席乗降用グリップハンドル(現在は取り外されて新しいBピラーパーツが装着されているが、取り付け穴の形跡は見える)、そして女王陛下の愛犬のための専用ドッグガードが装備されている。また、ボンネットには鴨狩をする犬のマスコットが装着されている。

一般には知られていない特別装備として、外部通信・セキュリティ機器用(既に取り外し済み)の高度な内部配線システムを有している。配線の取り回しから端子処理に至るまで、すべてが高い品質基準で施工されている。

注目装備は「デュアル・リアウィンドウスイッチ」である。聞きなれない装備だが、女王陛下が好んで歴代のレンジローバーに装着していた。通常、後席の乗員が窓を開閉する際には自分が座っている側の窓しか操作できない。しかし、このデュアル・リアウィンドウスイッチでは運転席側・助手席側どちらの後部座席からでも、左右両方のリアウィンドウを自在に操作することが可能となっている。もしかしたら警護の都合で必要な装備だったのかもしれない。

当該車両は主にウィンザー城を拠点として使用され、2007年5月には王室御用達のガイサーモン・アスコット(最寄りのランドローバー・ディーラー)でメンテナンスを受けている。王室での任務は2008年5月末まで続き、その後ナンバープレート「CK58 NPJ」(女王陛下が最後まで保有していた3.6リッターTDV8エンジン車)に役目を譲った。なお、CK58 NPJはディーゼルモデルながらスーパーチャージドと同じメッシュグリルを有していた。

現在の走行距離は約12万マイル(約19万km)で、同型車でよく見られるホイールハウスやテールゲートの錆といった問題は一切見られない良好な状態を保っている。オークション前には基本整備、塗装修正、新品のピレリ・スコーピオンタイヤへの交換が実施された。予想落札価格は5万ポンド〜7万ポンド(約950万円〜1,330万円)と謳われている。

文:古賀貴司(自動車王国)