大相撲五月場所>◇二日目◇13日◇東京・両国国技館

 前頭七枚目・錦木(伊勢ノ海)が、前頭八枚目・隆の勝(常盤山)を幕内では3年ぶりとなる決まり手“網打ち”で下し、1勝目となる勝ち星を挙げた。発生確率0.1パーセントの珍しい決まり手に、ファンからは「見られてラッキー」「初めてみたかも」と興奮気味の声が寄せられた。

【映像】発生確率0.1%の珍手が炸裂 一部始終

 立ち合い先手を取ったのは隆の勝。当たってから得意の右を差して前に出ると、錦木は防戦一方の展開に。しかし錦木は回り込みながら両腕で隆の勝の右手を掴み、最後は土俵際で逆転勝利を遂げた。勝った錦木の決まり手は“網打ち”で、日本相撲協会の公式サイトによると発生割合わずか0.1パーセントの珍しい決まり手だ。幕内では令和3年(2021年)十一月場所で当時前頭十六枚目の佐田の海が同じく前頭十三枚目の栃ノ心に決めて以来、約3年ぶりとなった。勝った錦木は1勝目、敗れた隆の勝は2敗目。

 取組を受けて、ABEMAで解説を務めた元横綱・旭富士の伊勢ヶ濱親方は「隆の勝、いい当たりしました。喉輪で押したあと右を差して寄っていくんですけど、(錦木に)小手に振られて、差身が甘くなってしまった」とコメント。続けて「(隆の勝は)深く差していないんです。左手もまわしが取れていないので、相手が左に動きやすい」「差し手が浅かったこととまわしをしっかり取っていなかったことが敗因になりました」と語った。

 錦木が珍手“網打ち”を決めると、ABEMAの視聴者からは「あみうち?」「初めてみたかも」「合気道みたい」「見られてラッキー」「網から逃げられない」と興奮気味の声が続々と寄せられた。
ABEMA大相撲チャンネル)