アウェーで選手を後押しした横浜FMのサポーターたち【写真:2024 Asian Football Confederation (AFC)】

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横浜FM、蔚山でプレーしたユ・サンチョル氏を追悼

 横浜F・マリノスは4月17日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の準決勝で蔚山現代(韓国)とアウェーで対戦し0-1で敗れた。

 アウェーに訪れた横浜FMサポーターが掲げたメッセージが、韓国で感動を引き起こしている。

 ACL東地区を戦う横浜FM。2戦合計方式の準決勝を突破したチームが西地区の準決勝を突破したクラブとホーム&アウェーの決勝に臨み、アジアを制したチームは2025年6月に開催される32チームに拡大されたクラブ・ワールドカップ(W杯)への出場権も得る。

 積極的な立ち上がりを見せた横浜FMだったが、前半19分にサイドからのクロスを中央で蔚山FWチョ・ミンギュがキープ。ラストパスを後ろから走り込んだMFイ・ドンギョンに決められ失点する。

 カウンターを仕掛けるチーム相手に、最後まで敵地でネットを揺らせなかった横浜FM。初戦は0-1で落とし、24日のリベンジマッチで逆転勝利を狙う。

 そんな敵地決戦の試合前には、元韓国代表MFユ・サンチョル氏への追悼メッセージが両サポーターから横断幕で掲げられた。韓国サッカー界のレジェンドとも称されるユ・サンチョル氏は、韓国代表として通算122試合に出場し18得点をマーク。膵臓(すいぞう)がんのため2021年の6月に亡くなった。

 横浜FMの横断幕には「あきらめない精神は私たちが受け継ごう。我々はユ・サンチョル兄さんとともに」と韓国語も交えたメッセージを掲載。蔚山も同様の思いを込めた言葉を掲げた。

 韓国のスポーツ・芸能専門サイト「スポータルコリア」は蔚山のホン・ミョンボ監督のコメントを紹介。「試合は試合。蔚山と横浜F・マリノスでプレーしたユ・サンチョル。美しいシーンだ。両チームに感謝の気持ちを伝えたい」と述べているという。

 記事では「熱い声援を送り続けた蔚山と横浜のファンはしばらく沈黙し、故人を偲んで熱い拍手を送った。横浜ファンのメッセージには非常に感銘を受けた」と日本から訪れたサポーターの行動に感謝を伝えていた。

 ユ・サンチョル氏は現役時代、蔚山で9シーズン142試合に出場。チームを2度のKリーグ優勝(1996年/2005年)に尽力した。また「横浜FMとも縁が深い」ユ・サンチョル氏は、計4シーズンをJリーグの同クラブでプレーしている。(FOOTBALL ZONE編集部)