約35?の中古マンションを購入し、フルリノベーションした建築家の小滝さん&高藤さん夫妻のお宅を、編集部が訪ねました。壁で仕切るのではなく家具で。さらに脚をつけることで圧迫感が出ないように。また、キッチンは可動式のワゴンと組み合わせ、床から浮かせることで、使いやすさと軽やかさを実現しました。キッチンを中心に、狭くても広々、快適に暮らすヒントを紹介します。

約35?の中古マンションを購入しフルリノベーション

約35?の中古マンションを購入し、フルリノベーションした小滝さん&高藤さん夫妻。ふたり暮らしで約35?と小さな空間だったため、壁で空間を仕切るのではなく、家具で仕切り、かつ、家具には脚をつけて圧迫感が出ないようにしました。

また、家具が天井まで届かないよう高さを抑えることで、上にも視線が抜けるように、とできるだけ狭く感じさせない工夫も。

 

そのほかにも、床材には白い塩ビタイルを採用。光を反射させるようワックスを塗り、空間全体を明るくすることで、広く感じさせる演出も。

「玄関を入ってすぐにキッチンがあるので、できるだけ生活感があふれないように、インテリアにもなるキッチンにしたいと思って」と小滝さん。そのうえでポイントにしたのが、対比させるということ。

「床や壁、天井は白を選び、家具やキッチン、お風呂の壁面は素材感が感じられるものを選んで、メリハリのある空間を心がけました」

この家のキッチンプラン

●DATA
小滝&高藤さんの家
・所在地:東京都
・家族構成:夫39歳 妻29歳
・専有面積:約35?

 

インテリア性と可変性を兼ね備えたキッチンに

存在感が大きく悪目立ちしてしまう冷蔵庫やオーブンレンジは、扉つき収納スペースや食器棚に収めて、使わないときは視界に入らないようにする工夫も。

そして、キッチンはここからここまでと決めてしまうと、部屋全体が狭く感じられたり、空間の使い方が固定されたりしてしまうため、可変性のある空間をつくることも意識したそう。

 

キッチンと同じ素材を使って造作した、可動式のワゴンがその代表例。写真のように可動式のワゴンは、奥行きを生かして、正面とサイドから出し入れできるよう、オリジナルで製作。

ワゴンを置く場所によって、壁づけキッチン、アイランドキッチンなど、いろいろな使い方ができます。

「普段からふたりでキッチンに立つし、家族や友人が集まったりするときに中心になるのがこの空間。料理をしながら、また食事を楽しみながらのコミュニケーションもここで生まれるので、ひとつの生活の場としてキッチンがあるという感じですね」

 

コストを抑えるため、天板以外は造作したキッチン。面材にはシルバーのダイノックシートを採用。

 

キッチンを床から浮かせたことで、足先がキッチン下に入るので調理中も疲れません。掃除もラク!

 

シナ合板でつくった食器棚。オーブンレンジなどの調理家電もここに収納しています。

 

キッチンの棚は、窓を二重サッシにすることで生まれた枠を活用してDIYしました。

おふたりの得意料理&お気に入りアイテム拝見

鶏肉と根菜、こんにゃくをじっくり煮込んだ筑前煮は、小滝さんの好物。「いろんな栄養素がバランスよくとれる和食がふたりとも好きで、煮物なら筑前煮、汁物なら豚汁ですね」。

 

小石原焼の翁明窯元のマグカップは、伝統とモダンが融合したデザインがお気に入り。

 

籐のカゴは、なんと高藤さんの祖母の手づくり。フルーツをのせるカゴとして使用中。

 

縁が二重に重なっているようなダブルリップが特徴的な器は、唐津焼の中里花子氏の作。

 

豆をひいていれるまでを1台でこなすツインバードのコーヒーメーカー「マイバッハ」。

 

DANSKのミルクポットはミルクを温めるのはもちろん、少量のゆで卵をつくるのにも便利。

 

●小滝健司さん(左)と高藤万葉さん(右)
ともに設計事務所などに勤務したのち、2019年に「TOASt一級建築士事務所」を設立。ホテルやカフェ、オフィス、住宅、リノベーションなど幅広く手掛けている。YouTubeチャンネル「somo somo I 建築家夫婦の日常」では、日々の暮らしやリノベについての動画を公開している