@AUTOCAR

写真拡大 (全5枚)

ドアミラーは911 ブレーキとホイールは968

アウディ初の「RS」として、スポーツクワトロより強力で、当時ラインナップ最速の座に君臨したのがRS2 アバントだ。フォルクスワーゲン・グループのトップの座へ就任する直前、フェルディナント・ピエヒ氏によって進められた型破りのモデルといえた。

【画像】ミラーは911 ブレーキは968 アウディRS2 アバント 現行RS4とRS6 モデル終了のR8とTT RSも 全123枚

ポルシェとの共同プロジェクトとして生み出されたRS2は、BMW M5 ツーリングに対するアウディの回答でもあった。当時のAUTOCARのテストでは、0-48km/h加速でマクラーレンF1を凌駕する数字を記録している。販売面でも、当初の期待を上回った。


アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)

ベースとなったのは、その頃のアウディ80 アバント。ドイツ・インゴルシュタットでボディシェルが製造されると、メルセデス・ベンツ500Eを製造していた、ポルシェのツフェンハウゼン工場へ輸送された。

そこで専用エンジンとトランスミッション、ブレーキ、サスペンションを実装。燃料ポンプとドアミラー、フロントウインカーなどはポルシェ911のものが、ブレーキと17インチ・ホイールは968 クラブスポーツのものが組み付けられた。

目玉といえる直列5気筒ターボエンジンは、S2の1.1barから1.4barへブースト圧を高めた大径ターボチャージャーで過給。ハイリフトカムに高性能エアフィルター、インタークーラー、インジェクター、高効率な排気マニフォールドなどで武装している。

ボッシュ社製のマネージメント・システムも、専用マッピング。その結果、319psと41.6kg-mを獲得した。トランスミッションは6速マニュアルだ。

生産数は2891台 定番カラーのノガロ・ブルー

ボディシェルはツフェンハウゼン工場で強化。フロントバンパーには大きなエアインテークが開けられ、ラジエターとブレーキの冷却効率を向上させた。アルミホイールと相まって、スポーティで好戦的な見た目に仕上がっている。

ノガロ・ブルーという、僅かにグレーがかったブルーが定番カラー。アウディに加えて、ポルシェのロゴも随所へあしらわれているのが興味深い。


アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)

車高は80 アバントから40mmも落とされていたが、オーナーの好みによって、更にローダウンされている例も少なくない。ボディロールを減らし、鋭い回頭性を追求して。

オプションも複数用意された。高性能ブレーキにサンルーフ、シートヒーター、ブラックのナッパレザー・インテリア、カーボンファイバーかウッドパネルの化粧トリム、ルーフレール、オートエアコンなどが選べた。

ちなみに右ハンドル車の場合、サンルーフは標準装備。内装は、シルバーかブルーのアルカンターラとレザーの2トーン仕立てが通常だった。

予定では2200台の生産が計画されていたが、人気に押され、2891台がラインオフしている。主要市場は欧州だったものの、180台の右ハンドル車が製造され、英国のほか香港、ニュージーランドなどへ輸出されている。日本にも僅かながら生息する。

このRS2は、アバントのみだとご記憶かもしれないが、実はサルーンも作られている。4台だけだが。

オーナーの意見を聞いてみる

4年前にRS2 アバントを購入したという、クリス・デイ氏。「以前は、アウディUrクワトロをリビルドして乗っていました。子どもができて、一緒にドライブを楽しめるクルマが必要になったんです。シェルビー・マスタングを温存できるように」

「幸運なことに、このRS2は自宅のすぐ近所の人が大切に乗ってきた車両でした。走行距離は27万km近いですが、まったくそれを感じさせません。ドアの内張りを新しく交換した程度で、殆どがオリジナル部品のままです」


アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)

「アウトバーンなら、265km/hで走れます。実用性も高い。デフロックは、滑りやすい路面専用。舗装路ではリアアクスルと格闘することになります」

「サスペンションを交換して車高を30mm落としたので、安定性が高まりました。マフラーも交換しましたが、それ以外は手を加えていません。プレイステーションのゲーム、グランツーリスモの音源録音に登用されたこともあるんですよ」

英国で掘り出し物を発見

アウディRS2 アバント(欧州仕様)

登録:1994年式 走行:20万km  価格:6万6524ユーロ(約964万円)

珍しいダークグリーンに塗られた、状態の良いRS2。走行距離は長いものの、整備状態は良いようだ。オプションのサンルーフにウッドトリム、ブラックのレザー内装、オートエアコンなどを装備する。


アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)

タイミングベルトとウォーターポンプ、インタークーラー、エンジンオイルの交換を受けたばかり。オイルクーラーは大容量のものへ交換され、ワーグナー社のECUチューニングも受けている。

運転席側のシートはサイドボルスターがすり減り気味。フロント周りには飛び石傷もある。だが、全体的には望ましいコンディションといえる。

アウディRS2 アバント(英国仕様)

登録:1994年式 走行:20万9000km 価格:4万9991ポンド(約904万円)

メタリック・ブラックのボディが美しい。売り手は見た目だけでなく、メカニズムも並外れて好調だと主張する。ルーフレールを備え、インテリアはブラック・レザーとカーボントリムで飾られている。

写真で見る限り、細かい部分まで状態は良いようだ。走行距離は長めだが、そのぶん価格も合理的といえる。

中古車購入時の注意点などは、アウディRS2 アバント 英国版中古車ガイド 元祖俊足ワゴン(2)にて。