元J1指揮官、元JFA技術委員長、元W杯戦士…。多士済々の監督がしのぎを削るJ3新シーズンに要注目!ビッグネームが集まる理由は?
ご存じの通り、今季のJ3はJFLから奈良クラブとFC大阪が昇格して20チームに増加。上位2チームがJ2に自動昇格する。これまでなかった降格制度も新たに追加され、19位がJFLとの入替戦に回り、最下位はJFLに降格することになっている。過去にない熾烈な戦いが繰り広げられるのは間違いないだろう。
なかでも注目されるのは、日本代表としてワールドカップ出場経験のあるアスルクラロ沼津の中山雅史、SC相模原の戸田和幸の両監督の初采配だ。彼らがJの舞台でどんな戦いを披露するのかというのは、両クラブのサポーターでなくても気になるところだろう。
それ以外を見ても、2022年カタール・ワールドカップで代表コーチを務めたFC岐阜の上野優作監督や、J1で数々の実績を誇るテゲバジャーロ宮崎の松田浩監督、ヴァンラーレ八戸の石粼信弘監督などビッグネームが少なくない。さまざまなキャリアを持つ指揮官が真正面からぶつかり合う今季J3は非常に興味深いリーグと言っていい。
「J1やJ2の場合、監督を選ぶ側の基準が実績や名前ありきになりがちで、新人監督や指導者経験の少ない人材を抜擢しづらい傾向にあります。が、J3はチャレンジしやすい環境にある。サガン鳥栖で結果を残している川井健太監督のように選手時代の経験値や知名度は乏しいものの、有能な指導者を抜擢したクラブにはそれなりのリターンがあるということだと思います」
こう語るのは、今季から松本山雅FCに赴いた霜田正浩監督。彼もまた2010〜2016年に日本サッカー協会の技術委員長を務め、その後、レノファ山口FC、サイゴンFC(ベトナム)、大宮アルディージャで指揮を執った実績ある人材だ。その霜田監督がJ3に参戦するというのは多少なりとも驚きに値するが、本人は躊躇なくオファーを受け入れたという。
「どのディビジョンでも『自分のサッカーで勝ち抜く』というのは一緒。資金不足や選手集めの苦労といったJ3のマイナス面を気にして『やっぱりJ1じゃないと難しい』と考える人もいるかもしれないけど、僕は代表に携わった経験もあって『こうじゃなきゃダメ』という考え方は持っていない。他の監督も同じだと思います。こうしてJ3に多士済々が集まるようになったのも、リーグ30年の成果の1つ。その意義は大きいですね」と前向きにコメントしていた。
中山、戸田、いわてグルージャ盛岡の松原良香といった知名度のある指揮官たちがあえて同カテゴリーからスタートしようと思うのも、「ゼロから自分の色を出しながらチーム作りができる」というメリットがあるからだろう。野心ある指導者が個性ある多種多彩なサッカーを構築し、魅力的な戦いを見せてくれれば、J3は盛り上がるし、Jリーグ自体も活性化する。
2016年に当時J3の大分トリニータの監督に就任し、3年でJ1まで引き上げた片野坂知宏監督のようなサクセスストーリーも期待できる。片野坂監督は2018年にJ1優秀監督賞を受賞。2021年には天皇杯準優勝まで達成している。
