愛玉子の利用拡大へ 機能性成分の抽出技術を開発 産業応用に期待 台湾

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(台北中央社)台湾のドリンク店やナイトマーケットなどで親しまれる「愛玉子ゼリー」。主原料は台湾でしか育たない植物「アイギョクシ」だ。行政院(内閣)農業委員会苗栗区農業改良場はアイギョクシの利用を拡大しようと、機能性成分を抽出する技術の開発に官学連携で成功した。同改良場は、アイギョクシの付加価値向上に期待を寄せている。

アイギョクシは台湾固有種。アイギョクシが実を結ぶには、アイギョクシの生育地にしかいないアイギョクコバチを媒介して受粉する必要がある。中央山脈の海抜800〜1800メートルに自生し、かつては採集が難しかったが、同改良場は2013年、平地で栽培可能な新品種の開発に成功。新品種は「苗栗1号」「苗栗2号」と命名され、現在は技術移転により南部・嘉義や高雄、台南、東部・花蓮、北部・新竹で栽培されている。栽培面積は約110ヘクタールに上る。この他、高雄や台東、嘉義の計439ヘクタールでは在来種の栽培も行われている。

愛玉子ゼリーはアイギョクシの種を揉みだして寒天状に固めたもの。食物繊維が豊富に含まれ、喉を潤すのにも役立つが、保存が難しいため、持ち運びや簡便性に課題があった。

そこで同改良場は、中国医薬大学(台中市)と共同でアイギョクシの付加価値を高めるための新技術の開発に着手。6年をかけてアイギョクシの胚から機能性成分を抽出する技術を生み出した。抽出液には抗酸化作用のある総ポリフェノールがブルーベリーの13倍以上含まれる他、動物実験の結果、抽出液に含まれるフィトステロールには炎症を抑える作用があることが分かった。

同改良場の呂秀英(ろしゅうえい)場長によれば、100キロのアイギョクシから38キロの抽出液が取れるという。

同改良場は2日、記者会見を開き、アイギョクシの抽出液を使ったレトルトパウチの機能性飲料を発表した。技術の産業応用性は非常に高いとし、企業への技術移転促進に期待を寄せている。

(楊淑閔/編集:名切千絵)