法務部行政執行署高雄分署に設置されているパブリックアート(上/同分署提供)と木野智史さんの陶芸作品「颪(おろし)(眼)」(下/木野さん提供)

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(高雄中央社)日本人陶芸家の作品を盗作した疑いが浮上している南部・高雄市のパブリックアートを巡り、外部の専門家や学者による審査会が18日開かれ、9人のうち3人が「盗作」と認定、5人が「酷似している」との見解を示した。作品を設置した法務部(法務省)行政執行署高雄分署は19日、取材に対し、主務機関に作品の撤去を申請したと明らかにした。

盗作疑惑が持たれているのは、同分署の屋外に設置されている「公平正義・円融和諧」(公平と正義・円融と調和)と題したステンレス製の作品。日本人陶芸家、木野智史さんの陶芸作品「颪(おろし)(眼)」と形が酷似していることが先日、一般市民からの指摘で分かった。高雄分署や文化部(文化省)の資料によると、「公平正義・円融和諧」は2017年に公募で選ばれ、2019年に制作された。作者は台湾人芸術家の蔡文祥さんとデザイン会社「葛菲雅奇視像空間設計」。

同分署によれば、審査会で5人の委員は、さらに実質的な調査権が必要だとし、客観的には双方の作品が「酷似している」ということしか認められないとした。残る1人の委員は「似ている」との見解を示した。

同分署は、主務機関の同意が得られれば作品を正式に撤去すると説明。現在はすでに作品に覆いを施し、非公開としている。また、作品を手掛けたデザイン会社に対し、契約解除と関連の支出の賠償請求を行っていくとした。

同分署によると、作者の蔡氏も作品の撤去と返金の結論に同意した。蔡氏は今回の件が大きな迷惑を掛け、騒ぎを招いたことを申し訳なく思うとともに、この騒ぎができるだけ早く幕を下ろすことを願っているという。

これに対し、木野さんは家族を通じて声明を出し、作者と同分署に謝罪を求めた。

(洪学広/編集:名切千絵)