寺島実郎・日本総合研究所会長は緊迫する中央アジア・中東情勢をどう見るか?
つまり、米国も、中国もロシアも、まずは自国利害中心主義だから、タリバンの起こすハレーション(悪影響)に警戒しているという点では同じですね。
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日本がエネルギー政策を180度転換する中で…
―― では、そうした中、日本の立ち位置をどう考えるべきなのか?
寺島 日本はずっと中東産油国に対して、石油や天然ガスを売ってくださいと言って頭を下げ続けてきましたが、最近になり、急速に「脱石油・再生可能エネルギー」と言い出しています。つまり、日本はこれまでのスタンスを180度変えようとしているわけです。ですが、中東産油国にしてみれば、それがはっきり見えているから、日本に不信感を抱いているとは思います。
ただ、現実に日本は中東に8割以上のエネルギーを依存しています。この先、太陽光を増やそうと言っていますが、現実には石油と天然ガスで日本経済を動かしている。だから、わたしは、今の日本は中東産油国との関係をどうするのか? あまりにもバランス感覚が無いのではないかと思ってしまいます。
―― 日本の中東戦略が問われていると。
寺島 ええ。実は、かつては対米過剰依存と言われながらも、日本は中東政策だけは独自の戦略をとっていました。ホメイニ革命以降のイランともしっかりとコミュニケーションをとっていたし、やらざるを得なかった。
それがいつの間にか、米国の対中東戦略の片棒を担ぐ程度の認識になってきて、日本は中東戦略をどんどん見失いつつある。イランは反米保守強硬派と言われるライシ師が大統領になったけれども、本当なら、イランの現政権に対しても日本が果たせる役割は大きいと思うし、イスラエルや湾岸産油国に傾斜してしまっている米国を、日本がいい意味で補完していく。そういう役割があると思います。
そういう中で、引き起こったタリバン政権の政治戦略がどう中東をかき回していくのか。日本は単に対アフガン政策をどうするかだけではなく、中国、ロシア、イラン、トルコ、そして米国をも含めて、しかも、湾岸産油国をしっかりと見つめながら、ユーラシア外交全体の設計図を描き直さなければならない時に来ていると思います。
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