トヨタを加えた3社で設立した新会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」では、既存のトラックの運用効率化システムの構築なども検討。3社のデータを共有し、最適な配送ルートや人員配置に役立つサービスを提供していく考えだ。また、電動化でもCJPTが量産を視野に入れたEVやFCVの企画と開発を手掛ける。

 前述の通り、トヨタといすゞとの提携以前から、小木曽氏はトヨタグループ内での協業を進めていた。トヨタブランドの商用ワゴン車などの生産を担うトヨタ車体と法人向けの軽トラックなどを手がけるダイハツは、日野と顧客基盤が共通していたからだ。

 商用車部門のトップだった小木曽氏は「CASEやMaaS(サービスとしてのモビリティ)の領域では、商用車は大きさに関係なく、トヨタ車体、日野、さらにはダイハツを加えたトヨタグループとして一括で連携を進めてきた」と話す。今後は3社間での連携を強化し、商品開発や製造、販売後の保守サービスといった領域などでの協業が進んでいきそうだ。

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22年初夏にEVトラック投入

 もちろん、個々の顧客に対する小回りのきく商用車自体は「競争」(同)だ。EVトラックで三菱ふそうトラック・バスに後れをとっていた日野だが、22年初夏に小型EVトラック「デュトロZ EV」を投入する。

 ヤマト運輸や西濃運輸と協業して物流事業者のニーズを捉えた「物流のラストワンマイル」に特化したトラックで、超低床かつ荷室内ウォールスルーも可能だ。一方のいすゞもヤマト向けに「エルフEVウォークスルーバン」を試験導入している。

 かつて日野は「アライアンスが下手だった」(下氏)。しかし、物流業界が抱える社会課題に対して1社では限界があり、協業は避けて通れないと判断。そこで下氏は提携戦略を加速させ、中国EV大手の比亜迪(BYD)とは電動ユニットや車両の開発で、独フォルクスワーゲン(VW)のバス・トラック子会社トレイトンとは大型トラックの電動化で協力している。

 小木曽氏は「荷主の役に立つことが起点だ」と強調する。物流業界の課題を解決しなければ「荷物が運べない時代が来る」(下氏)とも言われる中、〝働くクルマ〟の新たな価値を創造していけるかどうかが小木曽氏に課せられた使命となる。


初の量産EVトラックとなる「デュトロ Z EV」

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