静かなブームのオールドレンズでポートレート撮影を撮る! 人物写真の楽しみとおすすめなわけ

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デジタルカメラは、従来型の一眼レフカメラからミラーレスカメラに急速にシフトをしています。ミラーレスカメラは、一眼レフのような光学ファインダーで撮影するのとは異なり、背面ディスプレイや液晶ビューファインダーで撮影時の映像をリアルタイムに確認と把握ができるため、初心者でも撮影時に撮れる写真をイメージできることから扱いやすいカメラと言えます。

ミラーレスカメラの普及に合わせて、静かなブームになっているのがオールドレンズです。かつてのフィルムカメラで使われていたレンズを、マウントアダプターを介することで、最新のデジタルカメラであるミラーレスカメラでも利用することが可能になっています。

オールドレンズには最新レンズとは違った味わいのある表現ができるため、フィルムカメラ世代ではない若い世代は新鮮な表現ができるレンズとして人気があります。
若い世代もミラーレスカメラとオールドレンズを組み合わせることで、自分なりの写真撮影を楽しんでいるようです。

このオールドレンズに向いている被写体や撮影には人物ポートレートがあります。
解像度の高い現代のレンズとは違い、光の入射によってフレアやゴーストが出たり、背景のボケ効果が大きく暴れたりします。これが人物を撮るポートレート写真に、意外性や新しい表現を加えてくれます。

オールドレンズを使ったポートレート撮影の入門本として、写真家の鈴木啓太(urban)氏が「ポートレートのためのオールドレンズ入門」(玄光社MOOK)をリリースしましたので、紹介します。


「ポートレートのためのオールドレンズ入門」


この書籍では、代表的なオールドレンズで撮影したポートレート写真を実例に、オールドレンズ50本による表現を紹介しています。
過去に発売されたオールドレンズは実際に撮影してみないと、どのような表現になるか不明な部分が多いため、このように実写データを掲載している書籍は貴重です。

著者の鈴木啓太氏に、紙面掲載の許可をいただきましたので、紹介します。
実写の例として、Leica Summarit 5cm F1.5の作例です。
このレンズは収差やゴーストが大きく発生するため、扱いの難しいレンズですが、ポートレート作品を作ると強力な武器になるレンズです。


Leica Summarit 5cm F1.5の作例


誌面では、各レンズの特徴を紹介しつつ、オールドレンズならではの代表的な描写の解説もされています。


オールドレンズならでは描写


そのほか、誌面では、写真データの現像方法、オールドレンズの特徴を出しやすい逆光などの光の扱い方まで言及されており、ポートレート写真をオールドレンズで撮影するためのノウハウが満載となっています。

ミラーレスカメラとオールドレンズの組み合わせは、現在、このように特徴的な表現を実現する手段のひとつになっています。

最新カメラのハイスペックレンズとは違う、ポートレート写真を楽しみたい方にオールドレンズはお勧めです。


執筆 伊藤浩一