iPhoneがマスクしたままFace IDロック解除に対応、ただしApple Watch必須 (設定方法)
Aly Song / reuters

iPhone が待望の「マスクを着けたままFace IDロック解除」に対応します。

まもなく配信される iOS アップデートで加わるのは、iPhoneApple Watch を併用した新しいアンロック機能。

設定から有効にすることで、鼻と口を覆うマスクを着けた状態でも、パスコードを使わず iPhone をアンロックできます。条件はロック解除されたApple Watchを身に着けていること、iPhoneがすぐ近くにあること。すでに提供中の、Apple Watchを使った Mac のロック解除に似た機能です。

使い方は、iPhoneの[設定] [Face IDとパスコード]から有効にするだけ。マスクを着けた状態で iPhone のロックを解除すると、Apple Watch にロック解除を伝える通知と触覚フィードバック(手首をトンと叩く振動)が届きます。

すでに本人認証したウォッチが至近距離にあることを認識して、マスクによる精度低下を補う機能ですが、もし自分の意志で iPhone を解除していないのに通知が届いた場合、通知から即座に iPhone を遠隔ロックできる仕組みです。

Thomas Peter / Reuters

ホームボタンのない iPhone が採用する Face ID は、奥行き認識ができるフロントカメラ(TrueDepthカメラ)を使い、ユーザーの顔の凹凸を高精度に認識する認証方式。

高いセキュリティを備えつつ、メガネや化粧程度の変化があっても同一人物と認識できることが特徴の技術ですが、フェイスマスクで鼻と口を覆った状態では使えません。

以前からマスクが習慣だった日本のユーザーはもとより、新型コロナウイルス感染症予防のためマスク着用が推奨されるようになった2020年には世界でも、マスクに触れていちいち外すか、衆人環視でパスコードを入力するのは不便という声がありました。

新たな iOS 更新で使えるようになるのは、この Face ID をApple Watch 併用時のみマスク着用でも解除できるようにする設定。規定では無効になっており、iPhoneの「設定」「Face IDとパスコード」から手動で有効にすると使えるようになります。

ロック解除状態のApple Watch を身に着けている必要があるという条件から、iPhoneとWatchが近くにあることを認識して、「すでに本人認証したウォッチが至近距離にある、すなわち本人である可能性が高い」として、鼻と口を覆うマスクで制限される Face ID のセキュリティを補う要素にするようです。

(Apple WatchiPhone と違い常に身に着けていることから、一度ロックを解除すれば、腕から外さないかぎり基本的には解除されたままです)

有効にした場合どの程度Face IDの精度が落ちるのか、誰でも解除できるようになるのかは分かりませんが、もし仮に別人がこっそり本人の近くで気づかれないようiPhoneのロック解除に成功した場合でも、本人は手首の振動と通知で知ることができ、遠隔ロックもできることが保険となっています。

このウォッチ併用で解除できるのは端末のロックのみ。App Store や Safari のパスワード自動入力では従来どおりに Face IDを使うか、マスクをしたままならパスコード入力が必要です。Apple Payの支払いについては、Watchを使っていれば従来からサイドボタンだけで支払いが可能です。

Apple Watchを併用した iPhoneロック解除には、このほかにも複数のデータ保護が導入されています。

マスクのまま iPhoneロック解除の設定を追加する iOS アップデートは近日中に配信が始まる見込みです。