ググりのプロ直伝"チャンスを掴む検索術"
■「検索のやり方」が明暗を分ける
ITジャーナリストとして活動している私は、雑誌やテレビなどの媒体に年400〜500件ほどのコメントを行っています。そのため、時には自分が知らない事件や問題についてコメントを求められることもあります。
その際には、すばやく・深く情報を集め、その情報から正確に事件や物事の輪郭を掴むことが重要。解説している検索術などは、なければ私の仕事が成り立たないほど重要なものです。検索術を駆使し、通常であればたどり着けなかったページや、存在すら知らなかったキーマンを知ることも多々ありました。
もちろん、私のような職業でなくても検索術は大いに役立ちます。株価の予測材料となる情報に迫ったり、ビジネスチャンスとなる情報を掴んだりすることにも役立つでしょう。
なかでも私は期間指定検索をよく使います。
例えば、事件の判例を調べる場合。似たような事件であっても、法改正があった場合はその運用は別物となってしまうため、現在の運用について知りたい場合はノイズとなってしまいます。そのため、期間指定検索を使って改正後の日付を指定し、使えそうな判例のみを調べるのです。
■SNSも立派な情報ソース
情報収集の手段はGoogleに限りません。近年では多くの識者がTwitterを利用しており、ニュースサイトだけでは手に入らない生の声や、速報性のある情報を得ることが可能です。
社会的には著名でなくとも、深い知識を持った人と出会えることもSNSの魅力です。自分にとって役立つツイートをしている人は、積極的にフォローしていきましょう。
Twitterでも検索コマンドは使えるため、コマンドを上手に利用することで、精度の高い情報を手に入れることができるでしょう。
また、1つの事柄について調べるときは、その事柄の中で頻繁に使われるキーワードにも注目しましょう。例えば、「ビットコイン」であれば、その中核となる技術の「ブロックチェーン」が頻出します。そこからブロックチェーンについてまた調べ、頻出ワードを深く知ることにより、「このブロックチェーンを使った技術が画期的だから、多くの人が価値を見出しているのか」と、物事を掘り下げて見ることができ、自分の意見を持つことができます。
そして、物事の輪郭を掴むためには「視点を固定しないこと」も重要になってきます。1つの事柄であっても、ニュースサイト・新聞・ツイッター・ブログと複数のソースからその事柄を見ることを心がけましょう。新しい要素や意見を得ることで、正確かつフラットなジャッジを下すことができます。
■調べた事柄についてメモしておくには、「Google Keep」が便利
調べた事柄についてメモしておくには、「Google Keep」が便利です。これはGoogleが提供するクラウド型のメモサービスで、PC・スマホを問わずいつでも共通メモにアクセスできるため「あのメモは家のPCに保存してあるから、家に戻らないとわからない……」という事態もなくなります。
そして、自分が調べて得た情報は、用済みになっても削除せずに保存しておくようにしましょう。
似たような事柄を調べる必要がある際、前例として役立つだけでなく、「以前自分がどのようにアプローチしたか」についても思い出すことができます。最近のWindowsはWordファイルの本文も検索してくれるため、アクセスも容易になりました。
情報は時間と等しく価値のあるものです。その情報に近づく手段を得ることは、ビジネスのチャンスを増やすことにほかなりません。
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ITセキュリティやスマートフォン業界に精通するITジャーナリスト。守備範囲はウイルスからネット炎上まで多岐にわたる。
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■▼Googleの極意
(ITジャーナリスト 三上 洋 構成・編集=プレジデント編集部 写真=PIXTA、iStock.com)