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スウェーデン発の音楽ストリーミングサービス大手Spotifyは、音楽、ニュース、ポッドキャストコンテンツを融合した車内向け「Your Daily Drive」を発表した。

Spotifyはもはや音楽ストリーミング会社ではない。米現地時間6月12日、同社は音楽、ニュース、ポッドキャストコンテンツをパーソナライズされたひとつのフィードに初融合した新しいプレイリストを発表した。これによってリスナーにはAM/FM放送ラジオよりもレベルアップされた選択肢が与えられ、Spotifyは包括的なオーディオプラットフォームによるサービスの提供元という地位を手に入れることになる。

「Your Daily Drive」と命名された新しい機能は、パーソナライズされたエンターテイメントと教育プログラムがひとつになったプレイリストだ。「いつも車にいると感じているのは、あなただけではありません」と同社は米現地時間6月12日からスタートするアメリカのユーザー向けの「Driving Hub」という新機能について言及しながら、「Your Daily Drive」が車での通勤にぴったりである、とプレスリリースで述べた。「アメリカの人々は、ほとんどが通勤や通学のため年間700億時間を車内で過ごす、と言われています。これからは、身の回りの最新ニュースや、タイムレスな名曲などを聴きながら、車内での時間を楽しく過ごしていただけます」。

「Your Daily Drive」は、パーソナリティ主体のニュース関連のトークショーと、同社の強みであるオーディオストリーミングを組み合わせたものになる、とSpotifyは発表した。オンデマンド型の豊富な楽曲とストリーミング業界ならではのスタンダードとなった発見型プラットフォームが「シームレスかつ包括的なリスニング体験」へと発展したのだ。新しいプレイリストには、ウォール・ストリート・ジャーナル紙やナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)などによるポッドキャスト型の短いニュースアラートだけでなく、人気のものから、まだメジャーになっていないものまで、様々な楽曲が随時アップデート・ミックスされる予定だ。

音楽業界関係者は、Spotifyのダニエル・エクCEOが数年前に音楽の先を見据えた会社にしたい、とコメントして以来、同社がラジオのライバルとなる日を楽しみにしてきた。「ここまでSpotifyが成し遂げてきたことを誇りに思っています。しかし、2008年にサービスを開始した当時は、まさか音楽だけでなく、音声(オーディオ)がSpotifyの未来になるなんて、思いもしませんでした」といつもは口数の少ないダニエル・エクは、同社がGimletとAnchorというポッドキャスト会社を買収した2月に長文のコメントをブログに投稿した。

ユーザーのリスニング習慣やムードパターンなどの特徴に関するデータを豊富に持っているからこそ、Spotifyはラジオのライバルのなかでももっとも有利な立場にあると言えるかもしれない。世界的な調査会社ニールセンによると、アメリカ人の93%が毎週ラジオを聴く。だが、ほかの音楽・テクノロジー会社だって指をくわえて見ているだけではない。たとえば、米ラジオ大手Siriux XMがラジオ型音楽ストリーミングサービスを展開するPandora(同社の強みはアルゴリズムと広告力)の買収について言及した際、Siriux XMは音楽だけでなく、音楽以外の幅広いオーディオサービスによって魅力的な商品を提供する、と述べた。スマホやパソコンを使った音楽ストリーミングが飽和状態となったいま、ストリーミング会社は次の収入源として車に目をつけている。