4月に新社会人となった人は、そろそろ新人研修が終わり、配属先の部署で本格的に業務をスタートさせている頃でしょうか。最初はぎこちなかった「スーツ」にも少しずつ、慣れてきたことと思います。

 オトナンサー編集部では、連日の新入社員研修で身だしなみの大切さを伝え続け、好評を得ているマナーコンサルタントの川道映里さんに、新社会人のための「正しいスーツの着こなし方」を聞きました。新社会人以外の人も改めて勉強しましょう。

「無地」で落ち着いた印象を与えよう

「『身支度、仕事半分』という言葉をご存じでしょうか。これは朝、髪型から靴まで完璧な身だしなみで出社してきた社員は、すでにその日の仕事の半分を終えたのも同然という意味です。社会人にとって『身だしなみ』はそれくらい大切なのです」(川道さん)

 川道さんによると、身だしなみのポイントは「清潔感」。相手に不快感を与えないよう、相手中心の身だしなみを心がけます。

 まずはスーツの選び方です。ビジネススーツには大きく、無地とストライプの2種類がありますが、ビジネスシーンにおいては、落ち着いた印象や気品を醸し出せる無地がふさわしいそうです。

 ストライプは、おしゃれではありますが、「気品を醸し出せる、エレガントさに欠ける印象になります」(川道さん)。スーツは、海外から入ってきた文化であり、海外のスーツのマナーを参考にすると、白や赤などの、太くて目立つストライプが入ったスーツは、「マフィアが着るもの」というイメージがあるそうです。

「ただし、ストライプを絶対に着てはいけないというルールはありません。目立つ色の、太いラインが入ったものは避け、おしゃれをしたい時は、職場のルールやTPOを考えて、なるべくストライプが目立たないものを選びましょう」(川道さん)

 スーツの色は、落ち着いた印象の黒や濃紺、ダークグレーがふさわしく、相手に安心感を与えることができます。

 女性の場合、スカートの選び方にも注意が必要です。丈が短すぎるものや深いスリットの入ったものは避け、座った時にひざが隠れる程度の長さのものを着用するのが無難です。パンツスーツは機能的ではあるものの、フォーマルではないため、相手やシーンを考えて着るようにします。

前ボタンはとめる? とめない?

 次に、スーツの前ボタンについてです。

 何個とめればよいか迷う人も多いことと思いますが、男性は一番下のボタンだけを外し、女性は全てとめるのが正解です。しかし、男性のジャケットには、段返りのボタン(一番上のボタンが襟で隠れているもの)になっているものもあります。この場合は、一番上のボタンをする必要はありません。

 川道さんによると、元々は男女ともに全てのボタンをとめるのがマナーでしたが、ファッションリーダー的存在だった、英国のとある王族が、座った時におなか周りがきついとの理由で、一番下のボタンだけを外すようになったのが始まりとされています。

 最後は、ポケットについている「フラップ」です。フラップは、室内では外に出し、室内では中に入れるのがマナーです。

 そもそもフラップは、英国で狩りを行う際、ポケットに入れていた弾薬が雨によって使えなくなるのを防ぐために付けられました。ここから、室外では外に出し、室内では中にしまうのがマナーとなったそうです。

 ちなみに、モーニングコートのような礼装の多くにフラップが付いていないのは、室内で着ることが前提であるため。「ビジネスシーンでは、フラップを常に気にしていることはできないため、室内外に関係なくどちらかに統一しましょう」(川道さん)。

※参考文献:「超一流のビジネスマンがやっているすごいマナー」(西出ひろ子著)

(オトナンサー編集部)