金爆・喜矢武 豊 「運と行き当たりばったり」の人生でたどり着いた大舞台――『犬夜叉』で見せる本気!
あいかわらず飄々と、ユーモアを交えつつ質問への答えを返してくる。どこまで本気でどこまで冗談なのか図りかねるが、このビジュアルを見れば、『犬夜叉』に懸ける思いが本気であることはわかる。主演舞台は3作目。作品を重ねるなかでゴールデンボンバーという看板に頼る必要がないほどに、“俳優・喜矢武 豊”という存在が確立されてきた。今回も出演決定の一報が出るや、ネットでは話題騒然! 高まる期待にこの男、どう応える? 「紅白には出られなくても、まだ生きてるんだねって思ってもらえたら!(笑)」

撮影/平岩 享 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.



アクションのポイントは「野性的な動きになる」



――まず、犬夜叉の衣裳に身を包んでの感想をお願いします。

正直、まだ自分ではよくわかんないんですけど、周りからは「似合ってる」とほめられたので…。これは似合わない人には、絶対に似合わないでしょうからね。そこのラインはひとまず、クリアできたんじゃないかと。

――2015年に『ふしぎ遊戯』、2016年は『GOKÛ』、そして2017年は今回の『犬夜叉』と3度目の主演舞台ですね。

ホントにありがたいことにね…みんな儲けることしか考えてないのかと(笑)。

――それ、ちょうど1年前の『GOKÛ』のインタビューでもまったく同じことをおっしゃってました(笑)。高橋留美子さんによる原作漫画は、現代から戦国時代にタイムスリップした中学生・日暮かごめ<若月佑美(乃木坂46)>と、妖怪の父と人間の母を持つ半妖・犬夜叉の冒険の旅を描いた大人気作品です。

今回はとくに犬夜叉役ということで、かつらをかぶって衣裳をまとって、キャラクターになりきらなくちゃいけないのでね。正直、原作の絵を見て「これを俺が? 大丈夫か?」と思いました。さっきも言いましたけど、似合わなきゃアウトだし、でも着てみないとわかんない。衣裳合わせして「やっぱりやめます」って言えないんでね(苦笑)。





――とはいえ、原作者の高橋さんも、「喜矢武さんなら」と舞台化にGOサインが出たとか?

そうなんですよ。これまで先生の作品の舞台化は少ないんですが、「喜矢武 豊がやるのであれば、ぜひよろしくお願いします」と。いや…言い過ぎました(笑)。そこまではおっしゃってないです。ただ、人づてに先生も楽しみにしていると伺ってます。まあ、スタッフの作り話じゃないかと思うんですが(笑)、信じて頑張ろうかと。

――アクションは今回も必須になりそうですね。前回も孫悟空役でかなり激しかったですが…。

前回は、スゴかったですね。棒術のハードルが高くて…。如意棒が重いんですよ。途中でへし折ってやろうかって(笑)。敵役が槍だったんですけど、そっちを試しに持ってみたら、意外と軽くて、おいおいって(笑)。



――現時点で、今回のアクションはどのようになりそうですか?

犬なんでね。野性的な動きになるんじゃないかと思ってます。ジャッキー・チェンの映画を見て研究したいですね。『ドランクモンキー 酔拳』とかね。

――モンキーって猿じゃないですか(笑)。

あぁ、むしろ猿は前回だったか…。まあ、いずれにせよポイントは“野性”ですね。

――ご自身の中にある野性を目覚めさせる?

夜は猛獣ですから! いや、何を言ってるんでしょうか…(苦笑)。





あくまで肩書は「ゴールデンボンバー・喜矢武 豊」



――俳優としての活動を少しずつ積み重ねてきていかがですか?

人生で初めてやることばかりで、楽しいですね。殺陣も毎回違うし、学びながら作っていくのを楽しんでます。

――“俳優”という肩書が、ご自身の中でしっくりとくるようになってきましたか?

いや、全然ないですね。自分の作品を見直すとまだまだ…。

――ご自身の作品を見直されるんですか?

一応ね、俳優として自分の成長を(※ここでなぜか、周囲のスタッフから予期せぬ笑いが起こる…)。まあ、見て後悔しますよ(苦笑)。「もうちょっとこうすれば…」というのがありますからね。なかなか難しいです。



――実際、演技の仕事に対する喜矢武さんのスタンスは 「いつでもウェルカム」? それとも「えっ、また来たの?」という感じですか?

基本、「やりたい」と思ってますからうれしいですよ。舞台だけでなく、映像もどんどんやりたいと思ってるので。今回も正直、「おい、また舞台かよ」って…いや、嘘です! 冗談ですよ?(笑)

――舞台で、しかもこれだけ大きな原作の作品で3作連続メインキャストで出演。当然ですが、1作目への評価があって、2作目があり、それが評価されたからこその3作目だと思います。

そこはありがたいですね。まあ、自分は主演というよりは、ちょっと脇のほうでこそっといるほうが…とは思ってるんですけど、そんなこと言うと、また怒られちゃうな(笑)。あれ? 質問、何ですっけ?



――俳優活動の位置づけです(笑)。

バンド活動とはまったく違いますが、俳優をやるにも「ゴールデンボンバーのメンバーとして」という気持ちは常にありますね。だから、お客さんにも舞台を楽しんでもらうのはもちろん、「あぁ、ゴールデンボンバー、紅白には出られなかったけど、まだ生きてたんだね」とか思ってもらえたら!(笑)

――ちなみに、喜矢武さんの俳優活動に対するメンバーのみなさんの反応は?

あいかわらずですね。常にバカにされてます(笑)。

――でも、公演を見に来てはくれるんですね?

まあ、あの人たち、常に誰かのツッコミどころを探してるんでね。ネタ探しの一環でしょうね(笑)。





夢は『君の名は。2』への出演!? 俳優としての展望



――先ほど、俳優活動も「ゴールデンボンバーのメンバーとして」とおっしゃってましたし、なんだかんだ言っても、グループへの愛着を感じます(笑)。改めて、ここまでの芸能活動を振り返って、いかがですか?

運がよかったというのが一番ですね。バンドが売れたのも運だし、それがあって、こうして舞台のお仕事もいただいて。うん、運だなぁ…。基本、うちのメンバーで本当に実力を持ってるのは、Vo-karuの人(鬼龍院 翔)だけなんでね(笑)。

――いやいや、俳優活動は喜矢武さんの実力ですし、そもそもバンドとしても、運だけならとっくに消えていると思います。

そういう“流れ”みたいな部分に関しても、運がいいと思うんですよ、僕ら。かつてヴィジュアル系バンドのブームがあって、僕らはちょうどその少し後に出てきて、パロディというか失礼ながら、それをネタとしてやって。それが動画で拡散されて…。ムーブメントにしろ、ネットにしろ、ちょっと時代がずれてたら、売れてないですもん。



――そこで時代をつかむのも実力だと思います。

他に同じようなことをする人たちがいなかったのが大きかったかな? なかなかマネできないっていうのはあると思います。ふざけてると思われてるから(苦笑)。

――いい意味で、本気でふざけてる。

そうなんですよ。僕ら、振り切って、一生懸命ふざけてますから!

――お話を聞いていると、わりと人生に対して「行き当たりばったり」のような印象を受けますが、若いころに将来の展望などはお持ちでしたか? こんなふうに30代を迎えることになるとは…?

まったく考えてなかったですね。まさに行き当たりばったり。なんなら、普通に就職しようかとも思ってたし。大学に行きながらバンドはやってましたが、売れてるわけでもなかったから、どこかで辞めて、普通に就職して、働いて生きていくんだなって。

――そこで就職せずに、芸能界で生きていこうと決断できたのは?

うーん、一応、就活はしてたんですよ。だけどバンドやりたいなって思ったんです。さっきも言いましたが、こんなことやってるヤツら、他にいなかったので楽しかった。

――そこで「エイッ!」と一歩踏み出せるか否かが、ものすごく大きいと思います。

確かに大きな決断でしたね、それは。親には反対されたし、売れるまではホント、貧乏でしたしね(苦笑)。



――自信はありましたか?

自信は…徐々になくなっていきましたね(笑)。最初は「おもしれーじゃん、このバンド。意外といけんじゃね?」って思ってたけど、なかなか動員が増えなくなって。「こんなもんなのか? いつまで続くんだ?」って。

――恐怖は?

就職しないってことへの危機感はありましたよね。どうなるんだ? って。金銭面での不安もありましたし。バンドをやっていくと、なかなかバイトもできないし、かといって売れてないから給料も入んない…。家賃も携帯代も払えないから、借金するしかないんですよ。これ、いつ返せるんだろう? って。

――結果的には大ヒットを飛ばし、いまに至り、こうして俳優としても活躍されています。この先の展望は何かありますか?

いまは、いまやれることを楽しんでるって感じですね。あいかわらず、展望もなく。結局、ヒットしてからも「いつこの状態が終わるかわかんない」って状態でやってきてるし、いまもそれは変わんない。来年、消えてるかもしれない。だから、展望云々っていうより、いまを楽しんでます。



――展望はなくとも、俳優として夢はありますか?

『君の名は。2』出演ですかね(笑)。ビッグな作品に出たいです! ぜひその旨を書いといてください。「喜矢武、俳優やりたがってるよ」と(笑)。

――いま、プライベートでハマっていることやマイブームはありますか?

趣味はいっぱいあるけど、いまの時期はスノボですね。最近、休みが取れると行ってます。基本、体を動かすことは大好きなので、休みにはあちこち出掛けるんですが、スノボはいまの時期だけなんでね。何度行っても飽きないです。

――最後に、こんなに犬夜叉の衣裳がお似合いですが、喜矢武さんご自身はイヌ派ですか? ネコ派ですか?

ネコ派ですね!(笑)



【プロフィール】
喜矢武 豊(きゃん・ゆたか)/1985年3月15日生まれ。東京都出身。B型。2004年、鬼龍院 翔とともにヴィジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーを結成し、以来Gita-を担当。『女々しくて』が大ヒットを記録し、2012年から4年連続でNHK紅白歌合戦に出場。2012年、映画『死ガ二人ヲワカツマデ…』で俳優デビュー。2015年、『ふしぎ遊戯』で初主演舞台を踏み、翌2016年には手塚治虫の人気漫画『ぼくの孫悟空』を原案にした『GOKÛ』でも主演を務めた。
【Twitter】@yutakya_n
【ブログ】http://ameblo.jp/kyan-yutaka/


■『犬夜叉』
日程:2017年4月6日(木)〜15日(土) 
会場:天王洲 銀河劇場

原作:高橋留美子『犬夜叉』(小学館)
脚本:松村 武
演出:茅野イサム

<出演>
犬夜叉…喜矢武 豊(ゴールデンボンバー)
日暮かごめ…若月佑美(乃木坂46)
殺生丸…佐奈宏紀
桔梗…伊藤純奈(乃木坂46)
弥勒…滝口幸広
楓…野口かおる
和尚…小林健一
奈落…木村 了
ほか

チケット料金:8,500円(全席指定/税込/前売・当日共)
一般発売日:2017年3月18日(土)10:00〜

【公演に関するお問い合わせ】
ネルケプランニング tel. 03-3715-5624(平日11:00〜18:00)
【チケットに関するお問い合わせ】
サイレン・エンタープライズ tel. 03-3447-8822(平日12:00〜18:00)

【公式HP】http://stage-inuyasha.jp
【公式twitter】@stage_inuyasha

Ⓒ高橋留美子/小学館
Ⓒ2017 ネルケプランニング/ユークリッド・エージェンシー/小学館


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今回インタビューさせていただいた、喜矢武 豊さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2017年3月2日(木)18:00〜3月8日(水)18:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/3月9日(木)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月9日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。3月12日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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