ASEAN共同宣言で決裂、中国国防部は米国を強く非難、日本には要求
マレーシアのクアラルンプールで3日と4日に開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)の拡大国防相会議は、南シナ海を巡る問題で米中が厳しく対立し、共同宣言が採択できないという、異例の事態で終わった。
一方で「個別の域外国家が(すでに形成されていた)共通認識を無視し、共同宣言に本会議の議論とは関係のない内容を強引に盛り込もうとした。これは、ASAEAN拡大国防相会議の主旨と原則に完全に背くもの」と論じた。明らかに米国に対する非難であり、米国の挙動によってASEANが傷ついたと主張した。
中国国防部によると、中国の常万全国防相は同会議で、「米国が軍艦を、中国領である南沙諸島の関連する島と岩礁の近くに勝手に近づけることに強く反対する」と、米国を名指しで批判。米国が主張する南シナ海における航行の自由については「偽の命題だ。毎年10万隻以上の船舶が、南シナ海を通っている。どの国であれ、(自国船の航行が)妨害され、面倒や危険に遭遇したことは聞いたことがない。南シナ海の航行の自由には、いかなる問題も存在しない。これは『鉄の事実』だ」と論じたという。
中国国防部は常国防相と日本の中谷元防衛相が4日午後に行った個別会談の内容も紹介。常国防相は「南シナ海の問題は中日間(日中間)の問題ではない」と述べた上で「われわれは日本に、南シナ海の情勢を複雑にしないよう求める」などと注文を付けた。
中国は、南シナ海の島や岩礁についての領有権で対立するフィリピンなどが日本に接近し、日本側にも積極的に関係を構築する動きのあることを警戒している。しかし常国防相は南シナ海の問題について、日本に対して「希望する」ではなく「求める」とやや強い言葉づかいではあったが、批判したり懸念の意を表明することはなかった。(編集担当:如月隼人)(写真は中国国防部が発表ASEAN拡大国防相会議で発言する常万全国防相を紹介する微博頁キャプチャー)
