商品の購入を検討している時、ユーザーの視聴動画数は78%多くなることが判明

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この調査は2012年7月〜9月に、Googleと米国デジタルマーケティング会社Competeによる消費者行動研究として実施されたもので、YouTubeを利用・視聴する頻度が高いとされている自動車・美容関連商品・携帯電話の購入を検討しているユーザーが、商品を検討し購買するプロセスの一環において、どのようにYouTubeに関わっているかを明らかにしています。

この調査における「購入検討ユーザー」とは、ネット通販サイト又はブランドのウェブサイトで、1ヶ月間のうち複数回、閲覧・買い物をしていた人々のことを示しています。

それではYouTubeが購買プロセスの中でもたらす影響について、それぞれの商品ごとに見てみましょう。

車の購入を検討しているユーザー*1

*1 米国内外の27の自動車ブランドサイトで調査期間内に閲覧・買い物をしていた消費者

自動車購入検討時、ユーザーのYouTube利用頻度は高くなる。

車の購入を検討している10人のうち9人は、少なくとも月に1度、YouTubeを訪問。
そして、平均的なYouTubeユーザーより、YouTube広告を見る確率が20%高い。

車の購入を検討している人のうち35%は、自動車関連の動画コンテンツを積極的に探し、平均で15本の関連動画を視聴。

動画を視聴した後、47%がWEB上でさらに詳しい情報を検索、43%が販売店を訪問。

事例:シボレー

シボレーは、車の購入を検討している人がWEB動画の視聴に積極的であるという事実を踏まえ、シボレー ソニックの発売時にYouTube広告を実施。後に、米国で最も売れたサブコンパクトカーとなったシボレーソニックのYouTubeキャンペーンは、再生数970万回、80,000クリックを記録し、インストリーム広告を再生した人の93%が最後まで視聴するという結果を残した記録的なキャンペーンはとなりました。

▼シボレーがYouTubeで行ったキャンペーンはこちらhttp://www.myawardshows.com/2012/creative_sandbox/chevrolet_sonic_integrated/

美容関連商品の購入を検討しているユーザー*2

*2 Target, CVS, Amazon, drugstore.comなどのネット通販サイト、Sephora, Beauty Barなどのブランドサイトで調査期間内に閲覧・買い物をしていた消費者

美容関連商品の購入を検討している、ミレニアル世代*3のユーザーが、WEB上での情報収集先としてトップに挙げているのは、YouTubeである。

*3 ミレニアル世代:1980年代から2000年代初頭に生まれた、デジタルやITに強い世代。特に米国で、社会のあり方を変容させる世代として注目。ミレニアム世代ともいう。

美容関連商品の購入を検討しているユーザーの50%は、ネットショッピング中にYouTubeで関連動画を視聴している。

ミレニアル世代のユーザーは、美容関連商品の購入を検討している時、YouTubeで視聴する動画の数が通常より78%多く、YouTubeの利用時間も62%長い。

事例:Dove (ダヴ)

ダヴが今年行った「Real Beauty Sketchesキャンペーン」においてYouTube上で配信した動画が、再生数1億回を達成。YouTubeの今年の人気動画ランキング「Cannes YouTube Ads Leaderboard」で1位を飾るなど、ダヴの志が改めて世界的に認知されたキャンペーンとなりました。
またこちらの動画は、「2013年 世界のYouTube人気動画広告トップ10」の4位にも選出されました。

事例:L’Oreal Garnier(ロレアル ガルニエ)

ロレアル ガルニエは、Movidaヘアカラーを初めて使った4人の女性のストーリーを6回のシリーズで描いた動画を制作しました。短編ドラマのような続きが気になるコンテンツを、TrueViewで配信した結果、このシリーズは視聴1回当たりたった約4.3円という低コストで、120万回の再生回数に達しました。

携帯電話の購入を検討しているユーザー*4

*4 ATT, Verizon, T-Mobile, Virgin Sprintなどの通信会社サイト、Apple, Samsung, LF, MotorolaなどのOEMサイトで調査期間内に閲覧・買い物をしていた消費者

携帯電話の購入を検討しているユーザーは、平均的なYouTubeユーザーよりも、YouTubeを利用する時間が長く、視聴する動画の数も多い。

携帯電話の購入を検討しているユーザーのYouTube利用時間は、平均的なYouTubeユーザーよりも、51%長く(成人ユーザーは41%、ミレニアルユーザーは61%)、また試聴する動画数も53%多い。(成人ユーザーは44%、ミレニアルユーザーは62%)

携帯電話の購入を検討しているユーザーの40%は、YouTubeで最新のスマートフォン動画を視聴している。

動画を視聴した後、38%はWEB上でさらに詳しい情報を検索、42%は販売店を訪問。

調査の結果を見ると、自動車・美容関連商品・携帯電話のマーケティング戦略に、YouTubeが非常に効果的であるということがわかります。

ユーザーにとって「価格が高い」「気軽に試乗ができない」自動車は購入前に入念な情報収集を必要とし、「使用する人により差が生まれやすい」美容関連商品は「口コミ」が大きな検討材料となり、また「次々に新機種が発売される」携帯電話は「実際の使用感」や「機能性」が重要になることでしょう。そのため調査からもわかるように、商品購入の際、多様な情報が豊富に蓄積されているYouTubeを活用するユーザーが増加しています。

YouTubeにおけるユーザーの行動傾向を把握することは、各企業がマーケティング戦略として動画コンテンツや広告媒体、プロモーションを検討していく上での、今後の重要な指針となっていくことでしょう。

商品特性を見極め、役割を与えられた“動画”が、ユーザーの購入を後押しする一手となるかもしれません。

[参考]

“Video: Entertainment and Information for Shoppers”

http://ssl.gstatic.com/think/docs/video-entertainment-and-information-for-shoppers_infographics.pdf