担当M(以下M):いよいよJリーグが始まりました。今年は新しい指揮官がたくさんいます。鹿島のジョルジーニョ監督、浦和のペトロビッチ監督、FC東京のポポヴィッチ監督、横浜FMの樋口監督、磐田の森下監督、G大阪の呂比須コーチ、C大阪のソアレス監督、広島の森保監督と8人です。

ラモス(以下R):だから今年のJリーグはわからない。新人監督がどこまでできるかですからね。ただ、初めて指揮権を握る監督がよく陥るワナがあるんです。試合中にベンチを見るとわかりますよ。

M:ラモスさんもの監督1年目もはまりましたか。

R:はまったね〜。全体が見えなくなっちゃうんですよ。

M:お! 現役時代は全てが見えていたと豪語なさる方が……。

R:自分でプレーしていたときは、味方の様子や相手の心理状態、どこに穴ができていて、どこを守って誰を攻めればいいのか、ベンチがどう動こうとしているかまでわかりましたよ。だから試合展開まですべて読めた。

M:時々ラモスさんと一緒に試合を見るときは、今でもいつゴールが生まれるかという予言がよく当たります。

R:テレビを見ているときも、記者席でピッチを眺めているときも、どちらも展開がわかるんです。ところがベンチにいると全体がわからなくなる。自分のチームの状態はよくわかる、だけど相手チームがどう動こうとしているか、なぜか読めなくなるんです。特に1年目はそうでした。

M:どうやって克服したのですか?

R:2年目も7連敗したあたりまでは苦しかったですね。だから柱谷コーチに相手チームのことを見てもらって、僕は自分のチームを見るという役割分担をしたんです。ピッチの横というのは難しいですね。試合前の戦術分析や練習はしっかりできても、試合中にどう変わっていくかわからなくなっていました。一度現場を離れて冷静に考えて、もう一度全体を把握できるようになったと思います。だからもう一回、絶対に現場に立ちたいと思いますよ。

M:監督の心理状態も微妙なものなのですね。

R:僕の場合はどうしても昇格したいという焦りもあったと思いますね。

M:新人の指導者にプレッシャーがかかると、ますますそんな傾向になっていくでしょうね。

R:今年の新人指揮官の中で一番プレッシャーに晒されるのはG大阪の呂比須でしょうね。選手は揃っているのだから結果を出さなければいけない。今年はコーチだけど、十分に気をつけながら指揮してほしいと思います。