優勝はほぼ確定で迎えた復路でも、東洋大は手を抜かなかった。駅伝でトップを走るチームの、“前半は抑えて後半に上げる”というセオリーを無視して、各区間とも前半から突っ込ませた。それを酒井俊幸監督は「夏合宿では例年よりスピード練習を多くしたことで、距離の短い出雲駅伝で優勝することができた。うちの選手はもともとスピード能力は高くないから、その練習で得た成果をここでも引き出してあげたいという気持だった」と説明する。 

 その結果が、来年のチームの主力となる6区・市川孝徳(3年)の区間賞や7区・設楽悠太(2年)の区間新、さらには駅伝初出場の8区・大津顕杜(2年)のもう少しで区間新となる好走につながったのだ。

 前回の21秒差の敗戦で「1秒を大切にしよう」という意識を強く持った選手たち。全日本大学駅伝で駒大に敗れたことで、箱根への気持はより強固になった。それが誰一人脱落することなく、本番にキッチリと体調を合わせることができた原動力となったのだろう。

「柏原頼りのチームにしたくなかった。下級生たちは4年生の背中を見て成長した」と、酒井監督は満足の笑みを浮かべた。

 だが、今回の各選手の好走は、絶対的エースの柏原がいたからこそ、という面もある。来年に向けてのチーム作りでは、この走りをどこまで自分たちの“強さ”にしていくかが課題となる。

 一方、2位に敗れた駒大の大八木監督は「うちの選手には速さはあるが強さはまだ無い。そこをどう強化するかが課題」と、今年の主力が8人も残る来年へと視線を向けている。

 さらに早大も5区の1年生、山本修平の好走で、大迫が名実とものエースになる来年は、往路を制するだけの戦力を有していることを印象付けた。

 来年も続くであろう3強の争いは、東洋大の圧勝に終わった瞬間から始まっている。

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