客数の前年比割れが続く(C)日刊ゲンダイ

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 外食産業では客足がコロナ禍以前の水準に戻りつつある。日本フードサービス協会によると、2020年における外食産業全体の利用客数は前年比82%まで減少したが、22年以降は平均5%のペースで伸びた。各年の数値をもとに算出すると、25年は19年比で97.6%の水準だ。

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外食各社は値上げを続けたが、景気観も良く、値上げも受容されたため客数は伸び続けた。ラーメンや定食の1000円超えも当たり前となった。客数・客単価の増加で各社の業績は好調に推移した」(外食関係者)

 しかし最近では外食チェーンの客離れが起き始めている。「餃子の王将」の既存店客数はコロナ明け以降、各月とも前年比プラスが続いていたが、26年3月期からマイナスの月が増え、同期累計で前期比0.8%減少した。今年4月の単体では2.4%減と客離れが進む。

「かつや」の25年度既存店客数は前年比1.2%減。今年は全月でマイナスとなり、4カ月間の累計で5.6%減と著しく落ち込んだ。

 ファミレス業態では「ガスト」のすかいらーくHDが24年度に前年比6.9%増加した後、25年度は同1.8%増を記録。今期は4カ月間で1.1%の増加だが、昨年9月以降、単月でマイナスの月も現れている。

 カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)は客離れが顕著だ。24年2月期は前年比プラスだったが、24年9月から前年を下回るようになり、25年2月期と26年2月期の実績はそれぞれ1.5%減、3.5%減だ。

 客離れは24年8月にカレーやトッピングで実施した10%超の値上げが要因とされ、客単価は値上げにより1200円を超えた。

「実質賃金以上に値上がりしているため、消費者の受容も限界を迎えた。所得が高い層以外は、外食を控えるか、安い業態にシフトする動きがみられる。低価格業態に客が集中し、客数では二極化が進みつつある」(前出の外食関係者)

 サイゼリヤは23年8月期以降、前年比15%以上のペースで客数が増加した。今期(26年8月期)も8カ月の累計で同約15%増と好調だ。客単価は862円。コロナ禍以降は「99円表示」廃止のための1円切り上げをしただけで、値上げは実施していない。週末には客が集中し、30分以上待たされる店舗もあるほどだ。

 客単価1000円未満とされる「日高屋」も23年2月期以降、4期連続で客数が増加。今期も3、4月の2カ月間で2.2%増を記録した。

 今年も原油高など値上げの要因が収まりそうにない。消費者の懐が寒い中、外食の選択肢がさらに狭まりそうだ。

(山口伸/ライター)