今年から始まった映画館大賞(写真・公式サイトより)

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 5月12日に発表された「映画館大賞」をめぐり、SNS上で思わぬ議論が巻き起こっているーー。

 同賞は、全国の映画館スタッフの投票によって「映画館でこそ観てほしい作品」を選出する新設アワード。記念すべき第1回は話題作『国宝』が大賞を受賞した。

「投票の対象は2025年公開の988作品と、2026年公開予定の162作品です。Netflixなどの配信プラットフォームが台頭する時代に、観客の足が劇場から遠のく現状を打破したいという狙いがあるのでしょう。

 7部門で受賞作が発表され、『映画館でこそ観るべき!日本映画部門』では『国宝』のほか、山田裕貴さん主演のミステリー映画『爆弾』や、松たか子さんと松村北斗さんが演じる恋愛映画『ファーストキス 1ST KISS』なども選出されました」(映画業界関係者)

 その一方で、物議を醸したのが『映画館スタッフイチオシ 日本映画部門』第3位の『ゴジラ-0.0』(2026年11月公開予定)、そして『映画館スタッフイチオシ 外国映画部門』第3位の『トイ・ストーリー5』(2026年7月公開予定)だ。こちらは、どちらも公開前の作品なのだ。

 X上では、

《作品を鑑賞した上での選出だと信じていたのに、「イチオシ」として『トイ・ストーリー5』や『ゴジラ-0.0』というまだ公開されていないし誰も観ていない映画があがるんだ…案の定ブーイングの嵐なので選出基準から見直してほしい》

《なんでまだ公開もされてない作品がイチオシ映画として普通に受賞してるんだ・・・?》

 公開前の作品に対して、どのような基準で評価を行ったのかという疑問の声が相次いだ。しかし、同部門は“期待作”を対象にしたランキングであり、そもそも選出対象を公開済み作品に限定していないという。前出の映画業界関係者はこう語る。

「X上で拡散されたランキング画像だけを見ると分かりづらいのですが、公式HPでは“2025年公開作品を対象にした4部門”と、“これから公開される作品を対象にした2部門”に分かれています。

 批判が集まった『映画館スタッフイチオシ 日本映画部門』『同 外国映画部門』は、2026年4月以降に公開予定の注目作を対象としているため、未公開作品が含まれているのです。ただ、その説明が十分に浸透しておらず、勘違いする人が続出したのでしょう」

 もっとも、新設賞だからこそ、基準の分かりづらさも指摘されている。

映画館大賞は始まったばかりのアワードで、従来の“作品評価型”の映画賞とは少し毛色が違います。純粋な作品性というより、“映画館で映画を観る体験”を重視している印象です。そのため、公開前の話題作を入れることで注目度を高めたい意図もあるのでしょう。

 しかし、映画ファンほど従来の映画賞の感覚で見てしまうため、未公開作品が入っていることに戸惑う人が多かったのかもしれません。また、公開前だと単なるプロモーションでしかないという批判が出ても仕方ないでしょう」(同前)

 映画ファンに愛される賞になるといいけれど……。