日産が3期ぶり黒字の見通し、経営再建計画に基づくコスト削減進む…業績回復へ「主要市場」中東の影響が懸念材料
日産自動車は13日、2027年3月期連結決算の最終利益が200億円になる見込みだと発表した。
経営再建計画に基づくコスト削減が進み、26年3月期の5330億円の赤字から3期ぶりに黒字転換する見通しを示した。本格的な業績回復に向けては競争力のある新型車の投入が欠かせないが、国内外の販売不振は不安材料のままだ。(高村真登)
「不透明な環境が続く中でも着実に進歩した。この1年で日産は劇的に変化した」。イバン・エスピノーサ社長は13日の記者会見で、業績回復への手応えを強調した。
26年3月期に構造改革費用が膨らんだ反動で、今期は黒字化予想となった。追浜工場(神奈川県)を含む世界7工場での自動車生産終了や従業員2万人の削減を柱とする再建計画を進めてきた結果、26年3月期は各地の工場の資産価値低下などで3600億円の減損損失を出した。退職者への手当などリストラ費用としても1250億円を計上した。
構造改革に一定のめどがたった今期は、本格的に「稼ぐ力」の向上を目指すことになる。
今期の売上高は前期比8・3%増の13兆円、本業のもうけを示す営業利益は3・4倍の2000億円になると見込む。業績予想達成のカギを握るのは、販売力の回復だ。
13日に公表した今期の販売計画では、ミニバン「エルグランド」といった新型車投入の加速や中国市場での販売が回復傾向に入ったことなどから、世界販売台数の目標を4・7%増の330万台と定めた。ただ、近年は目標未達を繰り返しており、26年3月期の販売台数は当初目標(325万台)を下回る315万台にとどまった。今期も新型車の売れ行きに不安が残る。
日本市場では軽自動車「ルークス」の投入などで26年3月期は後半に巻き返しを図ったが、エスピノーサ氏は「(国内では)日産の評判がかなり下がっていて、お客様の信頼を損なっている」と厳しい経営環境を認める。毀損したブランドイメージを取り戻す道のりは険しい。
トランプ米政権の関税政策など外部環境が引き続き経営の重しとなりそうだ。26年3月期は関税政策が2860億円の営業減益の要因となった。日本から輸出する際の関税率は昨年9月に引き下げられたが、現在も15%が課されており、今期は2500億円の下押し要因となると見込んでいる。
中東情勢の緊迫化の影響も懸念材料だ。日産は高級車「パトロール」などが売れている中東市場を昨年5月に「主要市場」に位置づけたばかりだった。原材料費の高騰などに伴い、営業利益を150億円下押しするとみている。
