イラン攻撃から6週間、株価乱高下の中で新NISAのオルカン・S&P500パフォーマンスは?
イラン攻撃から6週間で500円超の乱高下は24回
2026年2月28日、米国とイスラエルはイランへの大規模な軍事攻撃を開始した。イラン最高指導者ハメネイ師の死亡が確認された週明け3月2日から日本の株式市場は激しく揺れ始めた。
株探の日次データをもとに、攻撃後の3月2日から4月20日までの35営業日を集計すると、500円以上の下落日が12日(合計▲1万7055円)、500円以上の上昇日も12日(合計+1万7105円)と、上下ほぼ同数・同額が拮抗する乱高下する相場となった。
下落の局面では、3月9日に一時▲2892円という単日最大の急落を記録。3月4日は▲2033円、3月19日・23日の▲1800円台と、週に複数回の大幅安が続いた。この間の最安値は3月31日につけた5万0558円で、攻撃前日(2月27日)の終値5万8850円から▲8291円(▲14.1%)の下落となった。
一方、下落と同じ力で反発も繰り返した。4月8日に米・イランの2週間停戦合意が発表されると、日経平均はこの日だけで+2879円(+5.4%)と急騰。4月1日も+2676円、4月14日・16日も1300~1400円の上昇と、急落翌日には急騰という展開を繰り返した。
現状の株価はほぼ攻撃前水準まで戻っている
6週間の乱高下の末、4月20日の日経平均終値は5万8824円。イスラエル、米国のイラン攻撃前日2月27日の終値5万8850円との差はわずか▲25円(▲0.04%)でしかない。最安値から見ると+8266円(+16.3%)の回復だ。
また、500円超の上下動したのは合計24回も起きながら、累計の上昇幅(+1万7105円)と下落幅(▲1万7055円)がほぼ相殺されている。つまり、株価は元の水準に戻ったわけだ。このことからも「乱高下を経ても長期投資家は傷つかなかった」ことを示しているだろう。
4月22日にはトランプ大統領が停戦延長を発表し、米メディアによると追加で3~5日の停戦期間を与える意向とされている。とはいえ、ホルムズ海峡の海上封鎖は維持されており、不透明感は続く。それでも株価はすでに攻撃前水準を回復済みのようだ。
新NISAの積み立てはどうなったか
こうした市場の乱高下の中で、新NISAで積み立てをしていたらどうなっていただろうか。一例として、新NISA開始(2024年1月)から人気の投資信託であるオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)とS&P500を2026年4月中旬まで積み立てた試算は以下の表の通りになった(月次概算値による試算。実際の運用成果を保証するものではない)。
実際の運用では違いはあると思うが、イラン攻撃後の急落を含む期間でも、オルカン、S&P500を積立を続けていた人はプラスを維持できているはずだ。特に、3月の急落局面でも積立を止めなかった人は、最安値水準でより多くの口数を仕込み、4月の停戦合意後の急騰でその恩恵をそのまま受けることができたと思う。
乱高下は「通過点」データが証明した長期投資の強さ
このデータが改めて示したのは、「急落時に売らない」ということだろう。その好例が3月31日の最安値(5万0558円)で損切りしていたら、4月の急反発は指をくわえて見るだけとなった。想定外の有事の局面ほど「何もしない」というスタンスでいたほうがよい。
とはいえ、成長投資枠でのスポット買いをする場合は、一度に全額投入せず分割して買うというのが現実的だ。停戦延長中の今も先行き不透明な状況が続いており、状況次第で再び市場が揺れる可能性は排除できない。
株価が乱高下しているときはどういったポジション取りがいいのだろうか。今回のケースでは500円超の変動が24回、最大下落幅は▲8291円だった。この数字だけ見れば恐ろしい相場だ。しかし、持ち続けた投資家の損益はほぼゼロになっているのではないだろうか。
もっといえば、2024年1月からの積立継続者はプラス30~40%台を維持している。新NISAの非課税・無期限・恒久化という制度の強みは、こうした局面で生きる。地政学リスクに起因する相場変動は、長い投資期間で見れば「通過点」に過ぎない。やはり、自分の積立ルールを守り続けることが、新NISA、積み立てのメリットを最大限に活かす方法と言えるだろう。
※本記事のシミュレーションは月次概算の基準価額をもとにしたもので、実際の運用成果を保証するものではありません。投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。
