10周年を迎えるQuizKnock 記念本を発売

写真拡大 (全11枚)

2026年10月2日に、10周年を迎える知的エンタメ集団・QuizKnock。今回、発起人である伊沢拓司さん(31)、須貝駿貴さん(34)、山本祥彰さん(29)の3人にインタビュー。「常識」「理系」「カルチャー」「ことば」「社会」など“教育分野”など幅広く扱うQuizKnockの、コンテンツの裏に秘められた思いや考え方に迫りました。

■【10周年】知的エンタメ集団・QuizKnock

QuizKnockは今年10周年という大きな節目で、集大成となる記念本『QuizKnock10周年スペシャルブック 十字路』(価格:2750円、発行・発売:株式会社KADOKAWA)を4月16日に発売。動画出演メンバーへのロングインタビューや、撮り下ろしの写真、QuizKnockに100の質問など、これまでの歴史を振り返りながらも、本作でしか見られないコンテンツが収録されています。

本作について伊沢さんは「10周年で見せたかったのは、まずは感謝。そして未来への挑戦の可能性みたいなところを、みなさんに知ってほしいなと思ったんですけど、そのために我々はwebでいろいろやっていくことが多いので、“形”に残るものがほしいなということで、2025年の4月ぐらいから企画をはじめた」と“感謝と挑戦”のため、この節目のタイミングで本を出したということです。

■山本さん「とんでもない調査をしていて・・・」

――見応えのある作品になっていますが、特に見どころを教えてください

山本:『数字で見るQuizKnock』というコーナーがあるんですけど、この1コーナーのためだけにとんでもない量の調査をしていて、こんなに手間をかけるかと(笑)。QuizKnockってクイズをやっているYouTubeチャンネルがあるので、早押しクイズが多くてボタンを押しているんですけど。押して答えただけではなく、隣の人は押し負けたりして、“答えてはいないけど押している”みたいなこともあるんですね。それもつぶさに全部調べて、全部の動画を見返して人海戦術で全員が(動画を)見て、「何回押していました」って結論を出しているんですね。“一つの数字”を出すためだけに何十時間と人の時間を使っているわけですよ、こんなことはなかなかできない。

――みなさんで調べられたんですか?

伊沢:僕は回避しました(笑)。2000本以上動画があるし、その中に2時間クイズだけしている動画とかもあるんですよ。12時間ずっとクイズをやっている動画も入っているから、それは12時間分見てカウントしているんですね。14人とか参加しているから誰が押しているとかもう大変すぎて、僕より優秀な校正・校閲チームが頑張ってくれました。まじ「焼き肉おごるわ」ぐらい。

山本:数えたメンバーから聞いたんですけど、伊沢さんのこと結構嫌だったらしくて、伊沢さんは(ボタンが)ついていないのに押している回数が多い。

伊沢:「くそっ」とか言ってね、つられて押しているやついっぱいあるわ(笑)それで怒られることあるんだ。

山本:動画は盛り上がるけどね、カウントは大変だったらしい。

■QuizKnockの“はじまり”「うまくいかないな」

――そもそも、QuizKnockを始めようと思ったきっかけを教えてください

伊沢:いろいろな理由があったんですけど、2016年の夏に『QuizKnock』を作ることを決めまして、このとき僕も結構苦学生というかバイトがなくなってしまったので、でも勉強しなければいけないので「どうしようかな」と思っていたときに、クイズやっていた先輩方がすごい人たちなのにバイトなくて困ってるとか、「クイズのバイトお金安すぎる」みたいなので困っていて、ちょっとこれどうにかしたいな。たまたまそのときに、「情報判断の時代です」。情報をニュースで受動的にしか受け取っていませんみたいな社会問題があったので、これは“かけ算”ができるな。

クイズって人を巻き込むツールだから、クイズを使って巻き込みつつ情報を伝える。そのクイズを先輩に作ってもらえれば、これ問題が一挙両得解決するじゃんということで『QuizKnock』を作って、そのときはニュース・webメディアだったんですけど、うまくいかず…。「うまくいかないな」と思っているときに、ふくらPが「YouTubeやろうよ」って言ってくれたのが契機になって今の大きさになった、という感じでした。

■コンセプトは「楽しいから始まる学び」 楽しく学ぶための“考え方

――“コンセプト”はどのようにして生まれたんですか?

伊沢:2018年の夏ですね、本をそのときいっぱい作っていて『QuizKnock』の紹介文とかもいっぱい書いていたんですよ。そのときにコメント欄を読んで、「QuizKnock見て学びのモチベーションが湧きました」「知らないことへの恐怖心が消えました」みたいなのを見ていて、なんとなく出てきたのは“楽しいから始まっている、この学びは”。みんな“楽しい”からやっているということに気づいて、ふと「楽しいから始まる学び」というコンセプトができたんですね。これが言葉になってからは、結構みんなの視線・目線がそろったっていうのはありましたね。

――須貝さんはコンセプトを聞いた時どう思いましたか?

須貝:結局僕たちって“勉強が好き”なんだな。「私は勉強嫌いだからやりません」とかそういうことではなく、“嫌いな面”とかもあるんですよ。

伊沢:“好き”をちょっと解像度上げると、僕たち勉強をやったら楽しいところもあるのを知っていた、みたいなことだと思うんですよね。多分全部が好きではないんですよ。ドリルとかやるの好きじゃないし、でも俺ら自分の得意ジャンルでいい体験をしていて、「これちょっと頑張ったら面白くなるな」とか「最初の30分我慢して基礎の話聞いたらちょっと分かって面白くなるな」みたいな“コツ”が分かっていたと思うんですよね。ここら辺がおいしいところなんだよねっていう。

それをちゃんと伝えていったりとか、むしろ最初のつらい場面は我々のクイズとかエンタメのワイワイで乗り切ってもらって、動画見終わったらちょっと知識ついていたからその知識ついた状態で授業を受けると、「最初から楽しいかも」って思える。

――クイズ・記事には、どのようにコンセプトをのせていますか?

伊沢:須貝さん多分“超伝導”という言葉を日本で最も広めた人間かもしれない。

須貝:“知らないなんてもったいない”と思うので、とにかく言うだけ言ってみる、聞いたことあるとなってくれるだけでうれしいですし、聞いたことがあって“また出会う”んですよ、きっと。リニアモーターカーとかって絶対に日本にいたら気になっちゃうニュースで出てきて、超伝導だと「聞いたことありますけど」って。再び出会ってうれしい、これ“できてうれしい”とかとも似ているのかなとも思いますけど、『クイズ』という何でもかんでも出てくるというのとすごく相性がいいですし、僕らのコンセプトを一層際立たせるようなものになっているかなと思いますね。

■今、気になるのは“AI×知識”

幅広い教育分野を扱うQuizKnock。「今気になっているニュース」を聞いてみると返ってきたのは“AI×知識”。伊沢さんは「やっぱり“AI×知識”。これ未来どうなっていくんだろうなというのは、クイズやっている以上すごく気になっていて、どんどん(AIの)技術も進んでいるし、汎用(はんよう)AIという何でもできてしまうAIが近々できるんじゃないか」と話し、AIが出してきたものや、世の中の進む方向に対して「ちょっと待ってそれでいいんだっけ」「自分はこう考えるんだけど」と言えるような“知の在り方”がAI時代だからこそ必要になるのではないか、とAIについての考え方を明かしました。