羽生結弦氏「REALIVE」に全編スタンディング可能な新席種が登場し、「これまで外れてきたことがむしろ幸運だった説」始まるの巻。
ええっ!立たせていただけるんですかッ!?

景気が悪いだのインフレだのという話はどこへやら、日本のコト消費はますます活況を見せています。WBCのチケットを買おうとしたらチケットサイトの待機列に飛ばされて丸一日経ってもまだ待機列のなかにいただとか、相撲のチケットが取れない取れないと言うてついには相撲のために大阪遠征を敢行するだとか、昨今はとかくチケットが取りづらい世界になりました。

そんなチケット入手難の時代にあって、ひときわ険しく、そしてとびきりあたたかいと僕からもっぱら評判のプラチナチケット公演が、羽生結弦氏による「Yuzuru Hanyu “REALIVE” an ICE STORY project」です。これまでに先行抽選、一般1次抽選、一般2次抽選、1次リセール抽選、2次リセール抽選など数々の抽選応募のチャンスをいただきながら(※pontaパス抽選とかもあるぞ)、いまだ一度も引っ掛かることなく、公演まであと一週間という状況に至った激狭の門。当たりづらさ山のごとしの公演です。

チケットを取り扱うテレ朝チケットの「申込時の第●希望ごとに1通の受付完了メールを送り」「その第●希望ごとに1通の抽選結果お知らせメールを送る」という丁寧な仕様も相まって、僕のメールボックスには80通もの申込&落選メールが蓄積されました。まぁ一部は自分で希望順位をいじったりした一旦キャンセルのメールだったりもするのですが、とにかく大変な数のメールをやり取りをしているわけです。一度も当選することなく。メールが来ること火のごとくです。

厳しい、極めて厳しい。

さすがに今回は厳しいか。

入手困難な夢を前に立ち尽くす僕。

ただ、心は前向きなのです。

何故ならこのチケット争奪戦はまだ道半ばであり、かつ最後の最後までフェアーだからです。

迎えた4月2日、「4月1日に抽選結果を発表すると『もしかして嘘かも?』と混乱させそうだから2日に発表しよう」という気遣いを滲ませながら届いた2次リセール抽選マッチング不成立のお知らせ。すでに前日の時点で「クレカ決済の通知がこないから落ちたな」と結果を察知していた僕はすぐさま前を見ていました。過去の経験から、この運営さんは必ず最後の最後までチケットを捻出してくれることを確信していたからです。機材の配置が決まって、人が座れる場所があれば、手間を惜しむことなく必ずそれを売ってくれる。土曜日の公演の場合「金曜昼」くらいまでチャンスがあると信じて、次戦へのウォームアップをしていたのです。

しかし、何ということでしょう。機材設営完了後に生まれる最後の希望の手前に、常識を覆す形で新たな希望が提供されるだなんて。まさかのひととおりリセール販売が終わったあとにやってきた一般3次抽選販売、しかも今回は「立見(立ち位置指定)」なる新たな席種が登場したではありませんか。立見席を追加で出してくるだなんて、前例もあることとは言え、大きな衝撃でした。そして胸がズッキュンと鳴ったのです。「立見になれば、ずっと、堂々と、スタンディングで見ていられるんだ!」と。今まで後方に配慮しながらここぞでスタオベしてきたものが、ずっと立ち上がって見ていられるだなんて。スタオベし放題。何ならお手振りもし放題かもしれない。ある意味でそこでしかできない体験ができる、プレミアムチケットなんじゃないですかね!

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Photon 羽生結弦写真集 [ 小海途 良幹 ]



公演会場の周辺で「立見でいいから入れてくれぇ…」と蠢く人を見掛けるのは人気公演あるあるですが、それに対して「では立見で入れるようにしますね」を実施してくる運営さんというのは基本的にないもの。実際やろうと思うと、大きな公演であればあるほど、実入りはさほどでもなく、急な追加も簡単なことではないのです。しかし、それが、この公演では、最後の最後まで座席を捻出してくれるどころか、新たな席種までも捻出してくれるだなんて。公表された簡易場内図からすると、立見ゾーンが1列でスタンド席と同じ間隔で観衆を入れたとしても数百人は追加で入場できるであろう算段です。何と大きな希望が与えられたことか。それはビジネスとしても意味があるかもしれませんが、何よりもこの落選祭りに悶える観衆たちにできる限りを尽くそうとしてくれている、「ぬくもり」にほかならないでしょう。

メール80通を受け取りながらいまだにチケットを手に入れられていない僕の実例を鑑みれば、すでにこの公演が超満員となるのは確定的な状況なわけで、追加の数百人とか数百万円とかがなくてもビジネスは成立しているでしょう。もう少し売り上げを望むなら「オフィシャルTシャツ…3800円」「ジップパーカー…7500円」(※トーカ堂北さんの声で)という「え?原価?」となる逆常識破りの価格設定を、一般のイベントグッズ並みに5000円とか10000円とかに上げればいいだけの話。有り体に言ってコチラも「買う」って先に決めてるわけですから、値段などあってなきがごとしであり、やりたいことを存分にやった仕様で持続可能な値段をつけてもらえればそれがいくらであっても別にいいのです。全種1個ずつ買っても3万2300円とかなのですから、全品がひとまわりくらい値段が上がっていたとしても特に何も感じないでしょう。



しかし、そうではなくて、お金ではなくて、ひとりでも多くの人が夢の会場に入り、ひとつでも多くの思い出の品を手にして、楽しんでもらうことをまず一番上の価値として置いたからこそ、最後まで尽きない希望と一貫して保たれるフェアネスがあるのでしょう。手間を惜しまずに段階的にチケットを売って無用な被りを避けることしかり、最後の最後まで座席や席種を捻出してくれることしかり、リセール販売に「どの券種でも良い※車イス席は除く」というコチラの希望と200%合致する完璧な選択肢が用意されたことしかり、厳格な本人確認を実施すると宣言して転売ヤーに決然とNOを突きつけたことしかり、「これで外れたらもうしょうがない、みなさんおめでとう」と拍手できるだけの道を歩かせてもらえて、僕は本当に納得しています。このまま最後まで当たることなく、この目でREALIVEを見ることができない未来があったとしても、それはもう「運」と納得できる。

もちろん本心からワガママを申し上げれば「そもそもドームサイズが必要なんよ」「アイスストーリーにはたまアリでもキャパ不足」「だから国立競技場に屋根をつけておけとあれほど」とそもそものキャパの部分をドーンといただきたいというのはヤマヤマですが、聖なる本拠地である宮城県下最大のアリーナでやるという話であれば、それはもうそれ以上はない選択なわけです。そのなかでさらに、もうこれ以上の座席やスペースはなく、もうこれ以上の運はなかったと思えるできる限りを尽くせているのですから、なんだかこの日々こそが自分にとってのREALIVEでもいい、そう思います。後悔とは「できることがあった」「できていてほしいことがあった」ときに囚われる感情ですが、今回は結果がどうあれそういう感情にはならないでしょう。自分に運があったかなかったかそれだけの話になると、清々しく思えているのですから。

↓全員が「運」を持ち寄った結果なら、もうそれがすべて!




もしかしたら、この公演はある種の実験場だったりするのかなと思ったりします。これまでのアイスストーリーのように全国各地をツアーするでもなく、本拠地宮城での2日間2公演限りという建付けでは、仮にその2日間のビジネスはリクープしたとしても、演者である羽生氏や、MIKIKO先生を始めとしたスタッフの方たちのクリエイティブを世界に十分に届けるという意味では、やはりもっと公演数や規模感が欲しくなるところ。メンテナンス期間を設けての再始動なのですから、むしろドーンと大きな話がブチ上がってもいいタイミングに、あえての厳選スタイルというのには、何かその先の展望があったりするのかなと思ったりします。ホップステップジャンプのような。

宮城で2日間限り、だからこそトライできることがある、かもしれない。それは公演の内容ということではなく、裏側の仕組みであったり、運営上の新しい取り組みであったり、「すべての予定を繰り合わせてあの場所に集う精鋭とならトライできる」「この狭き門だから会場に限らずトライできる」これからのスタンダードを作るためのクローズドベータテストのような公演だったりするのかななんてことを思ったりしました。羽生氏がプロ転向を果たして「プロローグ」を開催したとき、今思えばあれは本当にプロローグだったように、その先の新しい概念につながる何かがこの公演を通じて行なわれていくのかもしれない、そんなことを思うのです。その一環としてこの狭き門があるのであれば、跳ね返されてみるのも一興だなと。「自分、立見アリだと思ってるでしょ?」「でも最初からは応募しないよね」「ちょっと立見の感想言ってくれる人、欲しいんだよね」くらいに思っていただいていても差支えない、そんな気持ちです。

そろそろCSライブ&ライビュ参加というのを現実路線として考えないといけないタイミングではありますが、最後の最後…何なら「土曜昼」くらいまで何かがあるかもしれないと思って、腰を浮かせたまま挑んでいこうと思います。立見の人の頭と頭の間から覗く前提の「立見(注釈付き)」みたいなあんまり聞いたことのない概念とか、急に生まれたりするかもしれませんしね。「高身長立見(注釈付き)」とか「コンコース入場券」とか、あったら買う人いるよなって思う普段使ってない概念、探せばまだあると思いますしね。腰を浮かせてパッと跳ぶ、そんな俊敏さをもってラストスパートをかけようと思います!

↓そろそろいつもの場所に壁画がきそうな気がしますが、今回は東京がザワつきそう!

左様の前でスタンダードな記念撮影して、右様の前でアンニュイな記念撮影すればいいんですね!

え?脚立を持ち込んで上から見つめ合うのは駅的に禁止?

なるほど、わかりました!その立見は家でやります!



性格的に「立見席は意図的に視界に入れてくれる」気がして期待感高し!