会社員平均545万円の一方で、平均1,593万円も…「職業別年収ランキング」で見えた給与格差の正体
厚生労働省の調査によると、会社員(一般労働者・平均年齢44.4歳)の平均月収は34万0,600円、賞与も含めた年収は545万円でした。これに対し、職業別のランキングでは上位職種が圧倒的な数字を叩き出しています。※本記事では労働者を「会社員」、所定内給与を「月収」と表現しています。
平均年収1,000万円超え…高給職の理由
ランキング1位は、前年に続き「航空機操縦士(パイロット)」。平均月収は114万6,700円、賞与を含めた推定年収は1,593万円に達しました。会社員平均の3倍近い、まさに「空のプロフェッショナル」にふさわしい桁外れの給与額です。
続く2位は「医師」で年収1,300万5,600円。さらに「大学教授」「歯科医師」を加えた上位4職種が、平均年収で大台の1,000万円を超えています。
【職業別「平均年収」トップ5(男女計)】
1位 「航空機操縦士」1,593.0万円
2位 「医師」1,300.6万円
3位 「大学教授(高専含む)」1,077.0万円
4位 「歯科医師」1,000.0万円
5位 「大学准教授(高専含む)」876.3万円
一般会社員の平均と比較して約2倍〜3倍と、圧倒的に高給取り。その理由を紐解くと、主に3つのポイントが浮かび上がります。
まず1つ目は、「誰にでもできる仕事ではない」という希少性。パイロットや医師、公認会計士などは、国家資格を得るまでに長い年月と多額の費用がかかります。この高いハードルを乗り越えた人しか就けないため、代わりのきかない専門家として高い給与が約束されているのです。
2つ目は、「命」や「経営」を預かる責任の重さ。何百人もの乗客の命を預かるパイロットや、一瞬の判断が生命に直結する医師などは、ミスが許されない極度のプレッシャーの中で働いています。高年収には、その重大な責任やリスクに対する「手当」としての側面があるのです。
3つ目は、積み上げた「知識」が価値を生む働き方。大学教授などの専門職は、単なる作業時間ではなく、長年蓄えた知識の深さが不可欠です。彼らの一言や設計図1枚が世の中に大きな影響を与えるため、1時間あたりの価値が高く設定されているのです。
男女の「年収格差」が鮮明な職種、縮まる職種
最新の調査では、男女間の賃金格差(男=100)は76.6と、昨年の75.8から改善傾向にあります。しかし、職業別にみるとその内実には大きな隔たりも残っています。
男性の年収トップ3は「航空機操縦士」「医師」「大学教授」で、いずれも1,000万円を突破。一方で女性のトップ3も同職種が並びますが、その額は男性に及ばないケースが目立ちます。特に「航空機操縦士」では男性平均1,616万円に対して女性1,133万円と、同じ職業でありながら400万円以上の開きがあります。高度な専門職であっても、勤続年数や役職の違いによる格差が色濃く反映されています。
一方で、男女の給与差が極めて小さい職業も存在します。「看護師」「准看護師」「介護職員」などの専門職は、性別による給与の隔たりが年数十万円程度に収まっています。これらの職種は、性別を問わず同一の評価体系で活躍できる、現代の「格差なき仕事」の代表格といえるかもしれません。
働く「場所」による格差も無視できません。産業別の平均月収をみると、トップの「電気・ガス・熱供給・水道業(44.4万円)」と、最下位の「宿泊業、飲食サービス業(27.7万円)」では、月額で約17万円もの差があります。さらに賞与を含めた年収ベースで比較すると、その開きは300万円以上に拡大します。
どの職業に就くか、どの業界に身を置くかという選択が、将来の資産形成に決定的な影響を与える――そんなシビアな現実が浮き彫りになっています。
【産業別・平均月収(男女計)】
■高水準
「電気・ガス・熱供給・水道」…44.4万円
「学術研究、専門・技術サービス」…44.0万円
「金融・保険」…43.7万円
■低水準
「宿泊・飲食サービス」…27.7万円
「サービス業(他)*」…28.4万円
「生活関連サービス、娯楽」…29.5万円
*自動車整備、廃棄物処理、機械修理、各種代行・清掃業など
「仕事はお金だけではない」という言葉がある一方で、これほどまでに開いた給与格差は、私たちの職業選択やキャリア構築に再考を促しています。
