STVVに所属する8人の日本人選手のうち、6人が主力としてプレーしたこの夜のズルテ・ワレヘム戦。雪上の戦いは、日本人らしい技術が出しづらく、いつもと違う戦い方をせざるを得なかったが、それでも勝った。しかも勝点を51まで伸ばした。前回、STVVがプレーオフ1に進出した2009-10シーズンはレギュラーシーズン4位、勝点42という成績だった。

 立石敬之CEOは以前、「STVVのことを、私は『21番目のJ1クラブ』だと思ってます」と語ったことがある。ズルテ・ワレヘム戦の苦境を乗り越え、順調に勝点を積み上げる彼らの姿を見ながら、私は「J1、21番目のクラブ、ここにあり」と思っていた――。そんな感想を谷口に伝えると「そうですね」と言ってから続けた。

「日本人がこれだけ出ているということで、今日みたいなある種、肉弾戦みたいな、そういう意味では正直……。(熟考の末)僕の感覚的には負けてたと思います。こういう肉弾戦でもっともっと戦えないといけないし、セカンドボールも拾わないといけない。こういう状況になると僕も含めて日本人はまだまだ弱いなと感じたゲームでした。

 ただ、それで終わらなかったのが今日は良かった。頭を使いながら、どういうところが開いて、どうやったら崩せそうというのを敏感に感じ取っていた。劣勢を五分に持っていくとか、そのへんの逞しさは、ここにいる日本人選手たちもだいぶ身についてきたんじゃないか。そこは成長していると思ってます」
 
 スタジアムを出ると、外壁にSTVVのプレーオフ1を祝うビルボードが輝いていた。それを熱心に動画に収める年季の入ったサポーターが手を休め、そして私に「ユニークだろう?」と語りかけた。

「STVVは1965-66シーズンに2位になったんだ。10月のアンデルレヒトとのホームゲームは観客席に収まりきらず、ピッチの脇までファンが埋まったため、危うく試合が中止になりそうになった。そしてSTVVが2対0で勝った。しかし1月のアウェーゲームではアンデルレヒトに0対6で完敗したんだ。さすがに優勝した彼らは強かった。あの時、私は10歳。当時のことを鮮明に覚えている。そして今、STVVは50年ぶりの2位なんだ」

 私たちは今、STVVのクラブ史に残るシーズンの立ち会い人なのだ。

取材・文●中田 徹
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