毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、9月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
写真=iStock.com/Shutthiphong Chandaeng
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第1位:『生成AI最速仕事術』(たてばやし淳著、かんき出版)
第2位:『休養ベスト100』(加藤浩晃著、日経BP)
第3位:『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾著、SBクリエイティブ)
第4位:『移動と階級』(伊藤将人著、講談社)
第5位:『悩まず、いい選択ができる人の頭の使い方』(小川仁志著、アスコム)
第6位:『一流の研究者たちが教える 快眠の科学』(伊藤和弘著、三島和夫監修、日経BP)
第7位:『本質をつかむ』(羽田康祐 k_bird著、フォレスト出版)
第8位:『世界のマネジャーは、成果を出すために何をしているのか?』(井上大輔著、クロスメディア・パブリッシング)
第9位:『なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのか』(米澤創一著、プレジデント社)
第10位:『1つの習慣』(横山直宏著、すばる舎)
第11位:『精神科医が教える! 心がスッと軽くなる93の処方箋』(樺沢紫苑著、PHP研究所)
第12位:『年収UP・起業・自己実現できる! 副業の教科書』(大林尚朝著、明日香出版社)
第13位:『若者恐怖症』(舟津昌平著、祥伝社)
第14位:『社会は、静かにあなたを「呪う」』(鈴木祐著、小学館クリエイティブ)
第15位:『実はおもしろい古典のはなし』(三宅香帆/谷頭和希著、笠間書院)
第16位:『DIGITAL STANCE スマホに支配されない生き方』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第17位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第18位:『不機嫌を飼いならそう』(藤野智哉著、主婦の友社)
第19位:『時間・自己・幻想』[マルクス・ガブリエル著、大野和基(インタビュー・編)、月谷真紀(訳)、PHP研究所]
第20位:『これからのキャリア開拓』(田中研之輔/山口裕二/野澤友宏著、中央経済社)

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2025年9月の閲覧数ランキング

■「プロンプトの型」を教えてくれるAI仕事術の本

第1位に輝いたのは『生成AI最速仕事術』でした。「生成AIをもっと使いこなしたいけれど、プロンプトを書くのが苦手」「生成AIを使って仕事の効率を上げたいと思うけれど、何から始めていいかわからない」という人におすすめしたい一冊です。

たてばやし淳『生成AI最速仕事術』(かんき出版)

本書の最大の特長は、「プロンプトの型」が公開されていること。本書に掲載されているテンプレートをChatGPTにコピペすれば、あっという間に高品質の成果物が手に入る仕立てとなっています。

例えば業務日報なら、次の「プロンプトの型」を使ってみましょう。可変部分を箇条書きで入力するだけで、業務日報のできあがりです。

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以下の情報をもとに、本日の業務日報を作成してください。
#条件(固定部分)
・「本日行ったこと」「課題・気づき」「明日の予定」の3つの見出しでまとめてください
・箇条書きをメインに、読み手が内容を把握しやすいようにしてください
#日報にまとめたい情報 (可変部分)
(今日の業務内容、気づいたこと、明日の予定などを箇条書きで入力する)
******

著者のたてばやし淳さんは「かつての私と同じように時間に追われ、悩んでいる方のお役に少しでも立てるのであれば、著者としてこれほど光栄なことはありません」というメッセージを贈っています。AIを味方につけて仕事を最速化したいなら、今すぐ手に取るべき一冊だといえるでしょう。

■「軽い運動習慣」で休養の質が高まる

「なんとなく疲れている」「しっかり休んだはずなのにスッキリしない」――そんな人におすすめしたいのが、第2位にランクインした『休養ベスト100』です。

加藤浩晃『休養ベスト100』(日経BP)

本書は、医師でありながらビジネスの第一線でも活躍する加藤浩晃氏が、科学的根拠に基づいた“正しい休み方”を100種類紹介する一冊。入浴、運動、腸活などの項をチェックするうちに、疲れを溜め込まない体と心のつくり方を学べます。

すぐに取り入れたいのは、軽い運動習慣。「疲れているのに運動なんて……」と思う人もいるかもしれませんが、著者によると、軽い運動を取り入れるとむしろ休養の質が高まるそうです。

おすすめは有酸素運動。週2〜3回の頻度で、30分から1時間かけて1〜5kmほど歩くだけで、休養の質が高まるといいます。軽い運動により、生命活動に必要なエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」が増え、徐々に疲れにくい体が形成されていくそうです。

忙しすぎて運動の時間が確保できないなら、日常生活の中で意識的に体を動かす習慣をつけましょう。エレベーターより階段を使う、少し遠いコンビニにコーヒーを買いに行くなどを心がければ、積もり積もって十分な運動量になるはずです。

■仕事中の集中力をキープする”ちょっと意外”な方法

第3位は、いま書店でも大人気の『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード科学的に証明された すごい習慣大百科』。明治大学教授の堀田秀吾さんが、勉強・人間関係・健康管理など、さまざまな場面に役立つ習慣を112種類紹介する一冊です。

堀田秀吾『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード科学的に証明された すごい習慣大百科』(SBクリエイティブ)

今日から取り入れたいのは、仕事中に別の作業を挟むこと。

ある研究によれば、作業を続けるうちに集中力が落ちていくのは「疲れるから」ではなく、「この作業をがんばろうという目標そのものを脳が徐々に忘れていくから」だそう。集中力をキープするためには、ときどき別の作業を挟むのが有効であることもわかっています。

例えば、資料を作るときには、途中でメール確認やメモ整理といった軽い作業を挟んでみましょう。部下に作業の手順を説明する際にも、ただ話し続けるより、「いまの内容を3秒で要約してみよう」「手元のメモを見直してみて」などと、あえて別の作業を挟むと、集中力を途切れさせることなく聞いてくれるでしょう。

すべて科学的な根拠を添えて、取り入れやすい習慣を紹介してくれる本書。一つずつトライすれば、生活がアップデートされること間違いなしです。

■哲学の力で頭の中をスッキリさせる

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

第5位は『悩まず、いい選択ができる人の頭の使い方』でした。哲学者である著者の小川さんが、誰でも簡単に「いい選択」ができるようにと生み出した、7つのステップが紹介されています。

小川仁志『悩まず、いい選択ができる人の頭の使い方』(アスコム)

・ステップ1:核となるワードを一つ選ぶ
(例)人間関係

・ステップ2:定義する
(例)人間関係とは、苦手な他者との付き合い方

・ステップ3:疑う
(例)「苦手」は単に「嫌い」ということなのか?

・ステップ4:視点を変える
(例)「人間関係」について「ガム」という視点から考える
→うまくいかない人間関係を「まだ噛み方が足りない」「もっとよく噛んで」ととらえる

・ステップ5:再構成・再定義する
定義の中から「好き」「しっくりくる」と感じる要素だけを選び、それらを再構成して「人間関係」の新たな定義を作る。

・ステップ6:コンセプト化する
ステップ5で生まれた新しい定義にユニークな名前をつけ、覚えやすくする。

・ステップ7:選択する
ステップ6で生まれたコンセプトを実際の問題に応用し、自分の納得できる行動を選ぶ。

選ぶことに迷ったら、本書を開いて、哲学の力を借りてみてはいかがでしょうか。頭の中がスッキリし、これまでとは違った選択ができるかもしれません。

■「頑張っているのに成果が出ない人」は本質を見失っている

第7位にランクインしたのは、『本質をつかむ』でした。

羽田康祐 k_bird『本質をつかむ』(フォレスト出版)

KPIを達成しても評価されない、仕事はきちんとこなしているのに成果が出ない――そんな悩みの原因は物事の本質を見失っていることにあると、著者の羽田康祐さんは指摘します。そしてその前提のもと、本書では、「本質を見抜く力」を7つのスキルに分解し、一つひとつのスキルの磨き方を解説しています。

例えば、7つのスキルのうちの一つである「本質的な『目的』を見抜く力」を発揮する方法は、以下の3ステップから構成されています。

・ステップ1:繰り返し「何のために、その問題を解決するのか?」を自分に問う
(例)上司から「新規事業開発の他社事例を、資料としてまとめてくれ」と依頼されたなら、依頼の背景にある目的を見抜く

・ステップ2:背景と照らし合わせて妥当性を見抜く
(例)「保守的な組織文化をイノベーティブに変えるため」という目的であれば、既存事業は好調でも、採用難やエンゲージメントの低下、離職率の上昇といった課題が背景にあるかもしれないと考えられる

・ステップ3:真の目的かどうかを確かめる
(例)ステップ1・2で立てた仮説を上司に直接確かめる

頭のいい人の思考の裏側を知りたい人には、間違いなく役立つ内容です。読み終えるころには、物事の見え方が変わっているでしょう。

■副業に必要な準備・戦略・成功のポイントを紹介

収入の柱を増やしたいけれど、何から始めたらいいかわからない……そんな人に手に取ってほしいのが、第12位の『年収UP・起業・自己実現できる! 副業の教科書』です。

大林尚朝『年収UP・起業・自己実現できる! 副業の教科書』(明日香出版社)

著者の大林尚朝さんは、日本最大の副業マッチングプラットフォームを手がける起業家。2000社・200自治体以上の支援実績をもとに、副業に必要な準備・戦略・成功のポイントを惜しみなく紹介しています。

特に印象的なのは、「副業経験があるだけで採用率は格段に上がる」という指摘。「副業を始めたいけれど一歩を踏み出せない」と悩んでいる人の背中を強く押してくれるでしょう。

副業の「1案件目」を獲得するための5つのステップ、副業先を見つける4つのルート、企業にモテるプロフィールの3条件、1案件目を選ぶ際の4つのポイント、面接を突破する人の5つの共通点など、すぐに取り入れられるアドバイスがプロフェッショナルの視点から詳細に解説されているのも嬉しいポイント。さらには、勤務スタート前日にやるべき4つの準備や、副業初日に信頼を勝ち取る10のアクションまでまとめられており、「これさえ読めば迷わない」と思わせてくれます。

単なる収入アップだけでなく、自分の市場価値を高めたい人、将来のキャリアに備えたい人、生きがいがほしい人にとっても必読の一冊です。

今月も、生成AI活用術から休み方、副業まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第13位だった2023年4月刊の『頭のいい人が話す前に考えていること』が第17位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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(flier編集部)