「べらぼう」歌麿を蔦重は救えるのか…10月5日放送回を、八っつぁんと熊さんが振り返る
八五郎「いやぁ、今週も『べらぼう』面白かったねぇ」
熊五郎「そうさな、蔦重(横浜流星)たちが力を合わせて、ふんどし野郎(井上祐貴)の出版統制を乗りきる場面にワクワクしたもんだ」
八「面白いものを出し続けることこそ、春町先生(岡山天音)が遺した黄表紙の灯を絶やさぬこと。それに気づかせてくれた京伝先生(古川雄大)との和解シーンも、目頭が熱くなったなぁ」
熊「蔦重が書物問屋の株を買って、全国に黄表紙や錦絵ブームを起こそうとするビジョンが実現したら……」
八「おていさん(橋本愛)の興奮した表情、見ているこっちまで嬉しくなっちまうよ」
熊「まったく、夫婦そろってべらぼうだねぇ(苦笑)……実現できたら面白いな」
八「しかし、おきよさん(藤間爽子)は残念だったよ」
熊「歌麿(染谷将太)の姿は、見ていて胸が痛かったなぁ」
八「とまぁ、そんな第38回放送『地本問屋仲間事之始(じほんどんやなかまことのはじめ)』……」
熊「今週も気になるトピックを振り返って行こう!」
かつての自分を追い払おうとする蔦重
八五郎「自分に逆らった京伝を追い出そうと、精いっぱいの脅しをかける蔦重の姿は、何だか小者感が出てて嫌だったな」
熊五郎「日本橋の名前を勝手に出して鶴屋(風間俊介)からピシャリ。今回のしくじりで、地本問屋の仲間連中からも『べらぼう』連呼。鼻っ柱をへし折られた形だ」
八「前は自分が京伝先生みたいな立場だったのに、いざ自分が仲間入りできると、偉くなったと勘違いしちまったのかもな」
熊「少し天狗になっていたんじゃないか?理想と現実の落差に焦りがあったのかも知れねぇよ」
八「しかし雨降って地固まる。これを機に、本屋としてまた一皮むけただろうな」
熊「そう願いたいもんだ。今後ふんどし野郎の締めつけと、どうやって折り合いをつけていくのか……」
ふわふわ生きたい京伝先生

世の中、我が身を捨ててまで志を遂げようとする者はそういないものである。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。🄫NHK
八五郎「一介の本屋に過ぎない蔦重が『世に抗う』と息巻くのは勝手だが、それに巻き込まれちゃ、京伝先生もたまったもんじゃねぇな」
熊五郎「まったく。絶版処分の一度で懲りて欲しいもんだ」
八「めんどくさい事は考えず、面白いことばかりしながらふわふわ生きていきたい。京伝先生の気持ちはよく分かるな」
熊「しかし、それが出来る世の中ってのは、誰かが切り拓いてくれたもんだ。それを忘れちまったら、後の世代はもちろん、自分自身も後がなくなるものさ」
八「過去の遺産があるからこそ、今こうして自由に暮らせる。これを未来に受け継いでいきたいという蔦重の志は、そりゃ立派なもんだ」
熊「分相応かはともかくな」
縛りがあるから面白い

お久しぶりの西村屋や鱗の旦那たち。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。🄫NHK
八五郎「山のような草稿を奉行所に持ち込んでやろう……そんな蔦重の作戦に、地本問屋連中は呆れ顔。『べらぼう』連呼に諦めかけたその時!」
熊五郎「助太刀を買って出た勝川春章(前野朋哉)先生に北尾重政(橋本淳)。このままでは自分の弟子たちが日の目を見られない。ここぞとばかりに才能の大放出と行きやしょう」
八「いいねぇ、こういう展開はこたえられねぇ」
熊「みんなで大真面目な顔してお上を困らせるなんて、江戸っ子が一番楽しがりそうじゃねぇか」
八「縛りがあるからこそ面白い。まさに『上に政策あれば下に対策あり』。どこまでギリギリ攻められるか、エッジの立った作品を叩きつけてやろうぜ!」
熊「今回もそうだが『なんか蔦重の力になりてぇな、俺もなれねぇかな』って気持ちになるのが、大河べらぼうの魅力なんだと思うよ」
八「あぁ、俺にも文才があればなぁ……」
持ち込まれた作品の一例

桜川慈悲成『化物夜更顔見世』より。
八五郎「でもって、奉行所に持ち込まれた黄表紙の一部がこちら」
熊五郎「画面に映っていたものだけでも、これだけあったな」
芝全交『直読見臺萩(なおしてよむや けんだいはぎ)』森羅亭『御評判高尾文覚(ごひょうばん たかおのもんがく)』桜川慈悲成『大馬鹿抜目(おおばか ぬけめ)』桜川慈悲成『化物夜更顔見世(ばけもの よふけかおみせ)』勝川春道『摩訶徳本養老滝(まかとくほん ようろうのたき)』深川錦鱗『金儲十千万両貨殖金(かねもうけ とちまんりょう ぶげんのかね)』八「大河ドラマに登場していない戯作者は、当時まだまだたくさん活躍していたぞ」
熊「この『みんなで奉行所を困らせてやろうぜキャンペーン』に、ノリノリで参加したんだろうな」
八「今回出て来た黄表紙作品についても、改めて紹介しようぜ」
熊「合点承知の助だ」
男が光った長谷川平蔵

再び吉原を救うため、人肌脱ぐ平蔵。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。🄫NHK
八五郎「それにしても、今回の長谷川平蔵(中村隼人)はいい仕事をしたな」
熊五郎「まったくだ。かつて50両で河岸を救い、今度は人足寄場(にんそくよせば)で食い詰めた男たちを救い、そして再び吉原を……」
八「そのために、ふんどし野郎から引き出したのが『ある言葉』だ」
熊「結局、あれは何だったんだ?」
八「『御公儀の威信』ってヤツだろうな。江戸が上方に劣ってよいわけがない。本当は大好きでたまらない黄表紙が、上方でしか読めなくなるなんて、ふんどし野郎も本音では嫌だったんだろうさ」
熊「だから地本問屋も正式に株仲間を作らせ、出版活動を自主管理させようとしたのか」
八「京伝先生が大和田安兵衛(川西賢志郎)のところで『心学早染草』を出してくれたのが活きたのかもな」
蔦重は歌麿を救えるか

きよを看病する歌麿。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。🄫NHK
八五郎「それにしても……おきよさんの最期と、現実を受け入れられない歌麿の姿は辛くてならねぇ」
熊五郎「一瞬、縁側におきよさんの幻覚が見えた場面は、魂が離れかけていたんだろうか」
八「亡くなった後も『毎日変わるから、まだ生きてる』ってぇ歌麿のセリフは、なかなかえげつねぇよ」
熊「つまり『骨になるまで見届ける』って言っているのと同じだからな。まるで九相図さながらの地獄絵図だ」
八「もう歌麿にとっては、蔦重さえ支えにはなれなくなっていたな」
熊「前に『せめてお前だけでも救わせてほしい』と言っていた蔦重にとっても、辛い展開だろうよ」
八「蔦重の『お前は鬼の子だ、生き残って命を描くんだ』というセリフは、歌麿に後を追って欲しくない一心だったんだろうな」
熊「だが、歌にその真意は伝わらねぇよ。多分」
第39回放送「白河の清きに住みかね身上半減」

第39回放送「白河の清きに住みかね身上半減」。長谷川平蔵の活躍も見どころ。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。🄫NHK
京伝作の『教訓読本』三作品を出した蔦重(横浜流星)だが、絶版命令が下り連行されてしまう。一方、憔悴していた歌麿(染谷将太)は、つよ(高岡早紀)と江戸を離れる。
※NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。
八五郎「さぁ、一難去ってまた一難……というより、実はまだまだ懲りていなかった蔦重。今度はいよいよ身上半減(しんしょうはんげん)だ」
熊五郎「全財産の半分没収ってのは、なかなか辛いな。これで蔦重も没落かい?」
八「いや、この後は書物問屋として方針を転換していくことになる」
熊「何とか盛り返して欲しいもんだが……蔦重の『そうきたか!』をまた見てぇな」
八「それは次週のお楽しみ」
熊「胃が重い展開が続くなぁ……来週も見届けようぜ!」
※次回のあらすじ:
【べらぼう】憔悴の歌麿、ついに蔦重が投獄…次回10月12日放送のあらすじ&場面写真、相関図が公開


