3か国に優勝の可能性。最後の中国戦に挑む、なでしこジャパンの“最強セット”を考察【E-1】
右ウイングの愛川陽菜(INAC神戸レオネッサ)のラストパスから、タイミング良くゴール前に飛び出した成宮唯(INAC神戸レオネッサ)が決めるという、まさしく“神戸ホットライン”で前半にリードを奪う。しかし、後半に4バックから3バックに変更した韓国が、デュエルの強さを活かす守備からロングボールを起点に猛反撃を仕掛けてきた。
そこから日本も再び勝ち越しを目ざして、中嶋淑乃(サンフレッチェ広島レジーナ)のドリブルなどから韓国ゴールに迫ったが、守護神キム・ミンジョンのビッグセーブなどに阻まれて、勝ち切ることができなかった。
これで1勝1分けの日本と中国が勝点4、2引き分けの韓国が勝点2となり、3か国に優勝の可能性が残された格好で、最終戦を迎えることになった。日本の相手は中国だ。
初戦で台湾に4−0の勝利を飾った日本は得失点差で中国を上回っており、引き分けでもOKというアドバンテージがある。ただし、韓国が台湾に5点差以上で勝利すると、得失点差で逆転されてしまう。中国に勝てば、文句なしに優勝を決めることはできるが、ニールセン監督はどういったスタメンを“最強セット”として中国にぶつけるのか。
GKは平尾知佳(グラナダ・フェミニーノ)だろう。アルビレックス新潟レディースからスペイン1部に挑戦する平尾は、なでしこジャパンの常連メンバーだが、山下杏也加(マンチェスター・シティWFC)の影に隠れているところもあり、今回は実力を示す大きなチャンスだ。台湾戦の浅野菜摘(ちふれASエルフェン埼玉)、韓国戦の大熊茜(INAC神戸レオネッサ)に負けない貫禄のゴールキーピングを期待したい。
4バックは右から遠藤優(所属先未定)、三宅史織(INAC神戸レオネッサ)、石川璃音(エバートン・ウィメン)、矢形海優(マイナビ仙台)という台湾戦のセットを想定する。高橋を韓国戦に続き、センターバックに起用するプランも考えられるが、前線でターゲットマンになれる選手がおらず、韓国戦でA代表デビューした19歳のFW樋渡百花(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)も、ここでのスタメン抜擢は冒険だろう。
中盤は台湾戦で攻守に安定したパフォーマンスを見せた北村美羽(リンシェーピング)をアンカーに、左右のインサイドハーフは、機動力とデュエルの強さを兼ね備える上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)と、韓国戦で見事なゴールを決めた成宮か。
ただ、今回のE-1メンバーで攻撃の中心を担う成宮も、韓国戦でフル出場していることから、中2日で16時キックオフの中国戦は彼女にとってタフなゲームになってくることは間違いない。その意味では、今大会で韓国戦の45分間しかプレーしていない塩越柚歩(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が満を持してスタメン起用される可能性もある。
3トップは、韓国戦で右サイドバックだった山本柚月(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が本来の左ウイングに戻り、ここまで2試合連続アシストの愛川が右ウイングを担うと予想する。まさしく“国内組”の最強ウイングコンビだろう。
センターフォワードは万能型のアタッカーである吉田莉胡(INAC神戸レオネッサ)が、ゼロトップ気味の役割を担う可能性もあるが、高橋が前線の中央に張る形がオーソドックスだ。
もっとも、ニールセン監督はサイドバックに加えて、FWも選手層を広げるために模索していると見られるだけに、樋渡のような新鋭の大型FWが台頭することも望ましい。スタメンは高橋としたが、彼女に関しては前線の選手交代に伴い、試合中にポジションをサイドバックなどに移すことも想定しておきたい。
チームとして3連覇を目ざすとともに、27年のブラジル女子W杯に向けたフルメンバーのサバイバルにも直結してくるだけに、出番を得た選手は思う存分、特長を発揮して、日本を勝利に導いてほしい。
取材・文●河治良幸
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