お手本はJリーガーの兄・幸多郎。鳥栖U-18林奏太朗が左ウイングバックで新境地「めちゃくちゃやりがいがある」
背番号6を背負うサガン鳥栖U-18のDF林奏太朗(3年)はクレバーなプレーが持ち味で、1年次からCBやアンカーで存在感を示してきた。正確なキックも魅力。自慢の左足を駆使し、ロングフィードで局面を打開する術も持ち合わせる。
下級生の頃から活躍し、世代別代表にも選出。3年生を迎えた今季もCBやボランチでプレーし、6月にはモーリスレベロトーナメントに挑むU-18日本代表のメンバーに選出されるなど、各方面から高い評価を受けてきた。
「奏太朗の運動量と左足のキックを活かす。今大会はそこにチャレンジさせたい」
24日のアルビレックス新潟戦(2−1)では、初戦の栃木SC戦(0−1)に続いて、左サイドで先発起用されると、ストロングポイントを存分に発揮した。
「コーチ陣から体力とスピードがあるからと言われ、左利きという武器も活かせるということで左ウイングバックを任された」と本人が話す通り、新潟戦は積極的に攻撃に関与して違いを生んだ。
押し込まれた立ち上がりこそ守備に追われたが、時間の経過とともに深い位置まで攻め上がるシーンが見られるように。特に後半はクロスまで持ち込む場面が増え、決定的なチャンスに関わるプレーが何度もあった。
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慣れないポジションで素晴らしいパフォーマンスを見せた林。今までウイングバックに配置された経験はほとんどなく、試行錯誤しながらのプレーだった。それでも良さを発揮できたのは、兄の存在が大きかったという。
「横浜FCで兄の幸多郎が左ウイングバックでプレーしていたので、それを参考にしたんです」
5歳上の兄・幸多郎は鳥栖U-18から明治大に進み、今季に横浜FCに加入。ルーキーながら左ウイングバックのレギュラーとして活躍しており、お手本にするには最適な人物だった。
「電話してどうすればいいのかを聞いた」という兄の助太刀もあり、違和感なく新しいポジションをこなした。確かな手応えがあり、プレーの幅が広がった実感があると話す。
「結構、楽しめている。運動量が求められるのできついけど、めちゃくちゃやりがいがある」
2年後のU-20ワールドカップを目ざすチームにも継続的に招集されており、複数の役割をこなせるようになれば、他の選手にはないアドバンテージになる。
最終予選を兼ねたU-20アジアカップは23名の登録だが、本大会は21名で戦うからだ。3つのポジションをより高いレベルでプレーできれば、日の丸を背負って戦う可能性はより高まるはずだ。
「将来的にはボランチやセンターバックで勝負したい。でも、複数のポジションをこなせれば、評価も上がる。いろんなポジションでクオリティを発揮できる選手になっていきたい」
新境地を切り開きつつある林にとって、今夏のクラブユース選手権が飛躍の場となるか。兄の教えを受けた鳥栖の俊英はさらなる高みを見据え、左ウイングバックで自分の可能性を示すために戦い続ける。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
