韓国の公共放送「KBS」が“受信料の分離徴収”に猛反対「根幹を毀損しかねない」

韓国の公共放送「KBS」が、受信料の分離徴収勧告に対する立場を伝えた。
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KBSは6月5日、「受信料の分離徴収は、公営放送の根幹を毀損しかねない重大な事案だ。これまでKBSは大統領室の国民提案と関連して意見を示したが、受け入れられず残念だ」と明らかにした。
続いて「受信料の統合徴収は、最小限の費用で公共放送を維持できる最も効率的な徴収方式だ。従って受信料徴収方式の変更は、より綿密で十分な議論が必要だ」と明らかにした。

そして「深刻な社会的副作用が憂慮される分離徴収よりは、変化したメディア環境で公共放送の役割変化と公共放送財源体系全般に対する社会的議論が必要な時点」とし、「受信料徴収方法の変更は、先進民主国家の大部分が採択している公営放送制度を、大韓民国で廃止するかどうかとも直結する極めて重要で敏感な事案だ」と話した。
最後に「今後も揺らぐことなく、公共放送に付与された公的責務を忠実に履行すると同時に、最も効率的な徴収方式を国民に説明することにも最善を尽くす」と伝えた。
先立って同日、韓国大統領室はKBSに受信料の徴収方式変更を勧告した。1994年から受信料と電気料金は統合して徴収されてきたが、現行の方式から変更し、別に徴収する案を設けるようにというものだ。電気料金から分離して徴収する場合、受信料の支払い率は著しく低下すると予想されている。
KBSの声明全文は以下の通り。
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受信料分離徴収は公共放送の根幹を毀損しかねない重大な事案です。
これまでKBSは大統領室の国民提案について意見を示してきましたが、受け入れられず残念です。
受信料統合徴収は、最小限の費用で公共放送を維持できる最も効率的な徴収方式です。従って受信料徴収方式の変更は、より綿密で十分な議論が必要です。
深刻な社会的副作用が憂慮される分離徴収よりは、変化したメディア環境で公共放送の役割変化と、公共放送財源体系全般に対する社会的議論が必要な時点です。
受信料徴収方法の変更は、先進民主国家のほとんどが採択している公共放送制度を、大韓民国で廃止するかどうかとも直結する極めて重要かつ敏感な事案です。
KBSは今後も揺らぐことなく、公共放送に与えられた公的責務を忠実に履行するとともに、最も効率的な徴収方式を国民に説明することにも最善を尽くしていきます。